#4過去 ページ5
私は薄暗い路地裏などを転々とし、親の顔すら知らない貧民街の子供の1人だった。
私達は大体八〜九人程で上手く、寄り添ってその日暮らしをしていた。
私が多分、十三歳になって間もない頃……だったと思う。
仲間の1人がポートマフィアと呼ばれる無法者の、ある取引を見てしまったというのだ。
勿論、其れに気付いたポートマフィアは私達を残虐かつ、効率的に殺して行った。
仲間の八人中、六人は動かぬ骸となり、芥川の妹、銀ちゃんは深手。
私も死体と見紛うほどに、動けないほど、深手を負った。
(私、このまま死ぬのかなぁ……)
なんて呑気なことを考えていると、隣にいたはずの黒い影、芥川が今までにない速さで敵を追いかけて行った。
銀ちゃんも立てないほどの傷ではないのか、壁を伝って芥川のあとを追う。
去ってしまった二つの影。
.
瀕死ながらも生き残った私は、二人に置いていかれた状態で半日ほど、そこに留まった。
そのあとの事はよく覚えてないけれど、多分人攫いに拐かされて、どっかに引き取られた……んだと思う。
引き取られた先で上手く生き抜いて、15歳で引き取り先を出た。
そのあと、雑貨店の店員だとか色々アルバイトをしながらボロいアパートで過ごすこと一年半ほど。
前々から危なかったがついに家賃が払えなくなり、泣く泣く住んでいたアパートから追い出され、途方に暮れていた所を、太宰さんがスカウトしてくれたのだ。
その日から私の人生は安定していった______
72人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ