私を拾ってくれたのは超人気アイドルグループのセンターでした。 (ページ5)

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#4話ページ5

楽｢んな冷たいこと言うなよ。メンバーだろ？｣

天｢でも、この子は放っておけない。結果は後で連絡するから2人は先に帰って。｣

有無を言わせぬ形相で2人に告げる九条天。

この人は本当に私を家に住まわせるつもりだろうか……

龍｢天……分かった。｣

最初に納得したのは十龍之介だった。

それに続いて八乙女楽も踵を返し裏路地から出ようとする。

楽｢決まったら連絡しろよ。龍、行くぞ。｣

龍｢あ、ああ。｣

そうして薄暗い裏路地には私と九条天が残った。

天｢で。さっきの話。ボクがキミを養いたいっていうのは本当だから。｣

『でも、迷惑じゃないですか……？』

天｢別にボク1人で養うわけじゃない。九条さんもいるし、メンバーもいる。｣

『私なんかを養ってもメリットはないですよ。』

冷たく、こう言えばアイドルの手を汚さなくて済むと思った。

しかも、これで九条天が私を養ったところで私は戸籍上、施設の人間だから、誘拐犯として警察のお世話になっても何も言えない。

私はそれが一番怖い。

大人気アイドルグループのセンター九条天がもし、誘拐犯として世に知れ渡ったら私だけでなくこの人の人生すらも終わってしまう。

そんなこと、出来るわけない……

天｢メリットがあるかどうかで人を養う冷たい人間にボクは見られてたわけ？｣

『え……？』