【ツッコミ系】笑って、触れて、愛して。 2

なろ屋さんと。 ページ26

これにて最後になります！最後までお楽しみくださーい！


「お、来た来た〜おはよ！」

「うん、おはよ〜夢主！ごめんね、待たせちゃった…？」

「大丈夫！着いたばっかだよ！てかなろくんも集合10分前だよ？」


普通の会話、どこにでもいそうな、普通のカップルの会話。

僕も早く会いたくてって言えば、スっと手を差し出してくる夢主。


「うっ…むり、無理です…推しが目の前にいるのに……これなんの拷問ですか…っ」

「拷問！？ねぇぇ会って3分も経ってないよ！？どんだけ僕のオタクしてくれてんの！」

「なろ屋さんに出会ってから私の人生全部かけるほどオタクしてますよ」


清々しい笑顔で言ってくる夢主に「ちょっと怖いかな！」

…運命ってのはあると思った。彼女は高校生の頃、僕が片想いしてた女の子。

別に特別仲が良かったわけじゃない。でもこの前ばったりと出会った夢主は……


「そこでさ、久しぶりだね夢主ちゃんの一言でなろ屋ってよく分かったよね…」

「私は高校生のあのキミがなろ屋さんとか未だに信じられないからね」

「僕だってそこまで限界オタクしてたなんて…」


知らなかったけど、でも…握手して幸せそうに笑うキミを見て、ドキッとした。

直して欲しいのは会って早々「握手して」とか「うわああああ推しがっっ…」とか言ってくることだけ。

……それ外ではして欲しくなくて。


「でっ、でも！今日はすごく我慢したよ！？」

「ん〜…僕さぁ別に彼女が限界オタクしててもいいんだよね。好きだから可愛く見えるし」

「…っな、え！？」

「でもね、僕と手ェ繋いで…可愛く笑う夢主を他の人には見せたくないよ」


わがままでごめんね、って縋るように彼女の手を引く。

キミが好きなのはなろ屋の方なのかな、とは思うこともあったけど…ちゃんと好きって言ってくれたから。

信じるよ、信じるけど、独占欲はあるから。


「………」

「………」

「…？あの、え？夢主…？」


急に静かになったから、俯く顔を上げて夢主を見る。

すると顔を真っ赤にして困惑してる彼女。


「…え？何その反応…」

「い、いい、いや、そのっ…なろくん、束縛とか、所有欲とかあるんだって…」

「あるよ！？僕のこと何だと思ってんの、僕だって普通の男だよ！？」


手で口元を抑え慌てる夢主の手をしっかりと握って、歩き出す。


「デート、だもんね？」

(＿＿そんなに欲なさそうな男に見えるのかなぁ…)

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