キミと僕 ページ9
JAサイド
一足先に練習室にマネヒョンが入ったのを待つ間、ユヌとの間に立つジュリをそっと見る。
表情こそいつも通り落ち着いて見えるけど、よく良く観察すれば肩が上がって少し猫背気味になっている。
緊張する気持ちはよくわかる。
僕も彼らと顔を合わせるのは2年ぶりで、あの頃のことを考えるとモヤモヤと嫌な気持ちになる。
彼らがデビューしたことは知っていたし、新人ながら人気が出ているのも聞いている。
それでも、出演している番組を進んで見たり曲を聴いたりはできなかった。
あの頃、誰よりも傷つき、謂れの無い悪意に苦しみ、それでも立ち向かい、最後にはボロボロになったこの子のことを考えると、どうしても応援する気にはならなかった。
こんな機会でもなければ一生顔を合わせなくてもいいくらい思っていた。
たしかに、短くても仲間だった彼らとは笑い合った日々だって確かにあったけど、そんなもの今更必要ないものだから。
僕は許さない
それでも、真っ直ぐ直向きに突き進むキミが決めたことなら、僕がキミのことを必ず支えてみせる。
そう、あの日に誓ったから。
だから
「もー、ジュリったら、肩上がりすぎー。それじゃあ機動前のガンダ○みたいよ！？ほら、背中伸ばす！」
JR「やー、オッパ！そんなにかちんこちんじゃないでしょ！？」
YN「え、ヌナ結構似てたけど、気づいてなかったん？」
JR「ユヌまで…え、ちょっとそんな？」
「そんな」
やだやだなんて必死に肩を回してほぐすジュリは可愛くて、あー、このままマネヒョン来なきゃいいのになんて。
MN「待たせたな、入っていいぞ。…頑張れ」
だって、彼らと会わなくなってから、更に綺麗になったキミを本当は見せたくないから。
そんな独りよがりの思いを腹の奥底に沈ませ、そっと細い背中を押した。
「さ！初めての挨拶するわよ！」
キミと僕
あの頃と変わったことなんて沢山ありすぎて数えられないけど、ひとつだけ言えることは
僕はキミの味方だってこと
これまでもこれからも
「grab a dream!アンニョンハセヨ、levイムニダ」
キミの夢を掴むまで
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作者名：にゃしろ | 作成日時：2021年2月1日 21時
