第一か第二か ページ47
無事にリハーサルを終えて楽屋でメイクをしてもらう。
初めての音楽番組への出演で、尚且つ彼らとも一緒ということもあって既に疲労感がマックスにきている。
DA「徹夜続きのOLみたいになってるんだけど?」
下地を塗り込むオンニが見かねて顔面マッサージをしてくれた。
米神をグルグル押されて痛気持ちいい。
「ねぇ、オンニ?オンニはなんでメイクさんになったの?」
心地よい刺激に今まで聞けなかった疑問がポロっと溢れた。
DA「言ってなかったかしら」
そのままヘッドマッサージにうつると、いよいよリラックスし過ぎて眠っちゃいそう。
落ちそうな意識を必死に呼び覚ましながら首を振る。
DA「実は、最初からアイドルになるつもりはなかったのよね。妹がいるんだけど、小さい頃に母のメイク道具をイタズラして妹にメイクしたことがあってね。所詮子供のやることだから顔面お化けみたいな出来上がりだったんだけど、凄く楽しかったのよ。
その時にこういう職につきたいって思ってアイドルのライブ映像見漁って研究してたら父が事務所に履歴書送っていてね。どうもアイドルを目指していると勘違いしたみたいで、何故かオーディションに呼ばれてよくわからないまま合格してしまい、まあこれも勉強だと思って練習してたわけなの」
YN「よくわからないのに合格ってすごいと思う」
JA「アタシそのオーディション一緒に受けてたけど、面白いわよ!
スタッフさんが踊ってくださいって言ってんのに、この子ったら周りがガンガンやってる中ラジオ体操やってるんだからww」
「オンニ…第一?」
DA「や、第二体操。前に動画で見て日本に面白い体操があるんでハマってた時期があったから。それしか踊れなかったのよ」
「踊りではなくない?体操だよね?」
JA「しかもさらに面白いの!ラジオ体操だなんて気付かれないように、それとなくダンスっぽくリズム変えたりしてんの!」
YN「え、ラジオ体操ってそもそも何かわからないけど、そんなお洒落な動きなんすか?」
「決してユヌが思っているようなものではないかな」
JA「見なさい、本家本元のラジオ体操よ!ちなみに第一と第二があって、これが例の第二よ」
YN「ほわー…え、これダンスっぽくって、むしろ想像できないんだけど?」
DA「我ながら人生で一番頑張った瞬間ね」
JA「アタシちょうどダインの後ろだったんだけど、笑いを抑えることに必死で自分が何やってたか覚えてないわ」
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作者名:にゃしろ | 作成日時:2021年2月1日 21時