あの日僕等は (ページ36)

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もしもの話ページ36

MHサイド

あの頃の自分に戻ったなら、もしかしたら僕はここにいなかったかもしれない。

あまりにもあからさまな行動に不信感どころか不快感まで覚え、中々口を開かないリアンに何とか話を聞いて。
どうにかする力がない僕はリアンからビョンホンさんとのことを他言しないように言われ、かわりにいくつか約束をした。

・夕方以降に空き時間がある時は、可能な限り僕かジュアニヒョンといること

・暗くなってからはビョンホンさんと2人きりにならないこと

・断れない時はあらかじめ僕に教えること

・いざというときは必ず助けを呼ぶこと

もう誰もいない練習室の隅で、指切りをして泣きながら約束をした。

小さな手に細い肩で必死に前に進む彼女を守るだけの力がなくて、自分に絶望した。

今やり直せるなら、あんなことなんて起こさせない。
たとえseventeenになれなくても、キミを守れたならば後悔はしない。

でも、僕は今ここにいてキミは隣にいて。

たらればなんて意味のないこと、何度考えたって時間なんて巻き戻せはしないんだ。

意を決してソジニヒョンにこれまでの経緯を話し、そのまま僕は事務所を飛び出した。

今までにない速さでジュアニヒョンのいる練習室まで辿り着き、一縷の望みをかけてヒョンにリアンの居場所を聞いたけどわからなくて。

そこで初めてヒョンにリアンの置かれている現状を全て話した。
メンバーとの確執やユナヌナの件は気づいていたそうだけど、ビョンホンさんのことは全く知らなかったそうだ。

ヒョンは一緒に練習してた仲間に他言しないようにお願いして、2人で別れて探すことにしたんだ。
見つけ次第連絡をすることにして携帯を片手に握りしめて。
早く鳴ればいいと祈りながら建物の端から端まで走り回って。

その頃にはソジニヒョンや他のスタッフも探してくれていて、偶々古株のスタッフが気づいたんだ。
以前内装を改築したさいに他の部屋よりも小さくなって使われていない練習室が地下にあることに。
シャワー室の奥にあるから誰も行かないし、倉庫にするにも場所が端すぎて使い勝手悪くて忘れ去られてる部屋が一つだけあるって。

聞き終わらないうちに気づいたら走り出していた。

練習と探し回って走ったせいで震える足なんて気にならないくらい、必死に階段を駆け降りた。

届いた合鍵を回しても何かに突っかかって開かない扉に、ここにいると確信して。

　

ヒョンと2人で扉を蹴破って、そこでー