勝ったのは ページ30
賭けは僕の負けだよ、とにっこりと笑うオッパに怒りよりも戸惑いの方が大きい。
「オッパ…知ってたんだね、皆の曲聞いてたの」
YN「ヌナ、一度だけ曲聞いたまま寝てたことがあってね、その時にわかったんだよ。
ヒョンがマジでスマホへし折ろうとしたのを必死に止めて、ヌナにとって何が一番いいのか話し合って」
JA「短い期間でも笑い合った相手から憎まれるのはジュリには耐えられないだろうな、とは思ってたんだよ。
でも、僕もユヌも傍にいるし、マネヒョンに最低限しか近寄らないように言ってもらってたから、どう転んでもキミを守るつもりではいたんだ」
勝手でごめんね、と苦く笑うオッパと情けなく眉を下げるユヌに首を振って感謝を伝える。
気づかないところで自分のために動いてくれる人がいることが本当に嬉しくて、ただただありがたかった。
気づけば自分からドアノブに手をかけていて
「泣かないでハオ」
優しいハオを泣かせてしまったことに申し訳なくて、そっと細い背中に手を当てた。
WN「………ジュリ」
MH「いつから…」
「ハオが話し始めた辺りから。挨拶回りで最後に回ってきたんだけれど…ごめんね、ハオに1人で背負わせて…」
MH「僕はいいんだよ…！辛かったのはリアンじゃないか…」
JA「ミンハオ悪かったね、お前1人に押しつけて。それから、お久しぶりですソジニヒョン」
SJ「ジュアン久しぶりだな！そっちはユヌだったか？デビューおめでとう、色々動画見させてもらったよ」
JA「ありがとうございます」
JH「ちょっと待ってもらえる？全然理解が追いつかないんだけど…動画ってなんのこと？」
YN「俺たちのデビュー前の練習動画ですよ、ジョンハン氏。通常の定期評価がわりに月に一度動画を撮って代表や先生方に評価してもらってたんですよ」
SC「動画で定期評価なんて聞いたことないぞ…そもそもなんで動画で？」
MH「それは…」
「簡単なお話ですよ、スンチョルさん。私が家から一歩も出られなくなったんです」
MH「リアン！」
SG「どういうことですか…？」
いつのまにか繋いでいたハオの手を握りしめる。
「男の人が怖くなったんですよ…ある出来事のせいで」
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作者名：にゃしろ | 作成日時：2021年2月1日 21時
