あの日僕等は (ページ24)

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振り付けの先生ページ24

DNサイド

音楽番組の収録のためテレビ局の楽屋で準備している僕たちは、いつも通り大声で歌っているドギョミヒョンとスングァニヒョン、ゲーム対戦に熱中しているウォヌヒョンたちとそれぞれ時間をつぶしていた。

リハーサルまではまだ時間あるし、今のうちに休んでおこうとソファーにもたれかかったところで振り付けの先生が入ってきた。

HS「ヒョン！テレビ局にいるなんて珍しいですね」

近くに立っていたホシヒョンが一目散に駆け寄るのを見て僕も立ち上がる。
ソジニヒョンは色々なグループの振り付けを担当しているダンサーで、デビュー前はダンスの先生としてずっと指導してくださり今ではseventeenのダンスをホシヒョンと一緒に考えてくれている。

SJ「おー、みんなお疲れー！こないだ振り付けたグループに修正が急遽必要になったんで駆り出されたわけよww」

「ヒョンこそお疲れ様です。もう振り直しは終わったんですか？」

SJ「さっきリハで確認して問題なかったんでお役御免だな。知ってる奴にお前たちいるって聞いたから顔見にきた」

SC「にしても振り直しなんて珍しいですね？何かあったんですか？」

HS「あ！俺わかったかもしんない！あれでしょ、一昨日カムバした6人組のヨジャグループじゃないですか？」

SJ「流石ホシだな！そうなんだよー、前回の放送でミスかなり多くてさ…練習じゃ問題なかったんだがどうもカメラ回ると気が逸れて上手くできないみたいで難易度落とすしかなくてな…」

ホシヒョンと一緒に僕も放送見てたけど、確かにあれは酷すぎだったと思う。
立ち位置は間違えて行ったり来たりするし明らかに振り飛ばして立ち尽くす人もいるしで曲終わった後ヒョンと話題になったグループだ。

SJ「元々ダンスはそんなに力入れていなかった子達なんだけどな。今回は曲がダンスナンバーっぽいから少し躍りを魅せる振り付けにしてくれって依頼受けたんで、ウチの後輩が担当したんだが…あまりの出来に本人責任感じて落ち込んじまってなー。今日も合わせる顔がないってんで俺が来たわけよ。
まあ結局は無難に今まで通り簡単な振りだけで、後は愛嬌勝負だな」

ダンスナンバーで愛嬌も何もない気がするけどな、なんて苦笑するヒョンは、少しだけ悲しそうに見える。
折角生まれた振り付けを活かせないなんて、僕は許せない。

「だとしても…ステージでは完璧な姿を見せられるように練習するべきだったと僕は思いますけど」

無意識に呟いた言葉にホシヒョンが肩を叩いた。