女神 ページ19
早いものであっという間にデビューの日だ。
あれから事務所の協力のもと、彼らと鉢合わせないようにレコーディングや打ち合わせ、ダンス練習をした。
どうしても無理な時だけ、これまで使用していた自宅で作業して一度も鉢合うことなく今日を迎えることができた。
ハオとはあの後何度か電話と、一度だけ少しの時間会うことができた。
同じ中国出身(厳密に言えば私は中国人ではないけど)で、年も同じで。
どことなく波長が合う彼とはジュアンオッパとは違う安心感がある。
デビュー曲について聞かれたけど、当日驚いて欲しくて内緒にしている。
あの頃の私を知っていて、これまで散々心配かけさせたハオへサプライズだ。
今日この日のために、私が閉じこもってる間も各所とやりとりをしてくれたオッパ。
縁あって仲間になり、他とは違う練習の仕方に文句言わずついて来てくれたユヌ。
見捨てずに黙って見守ってくれた代表と、全力でサポートしてくれたスタッフの方へ。
YN「あー、緊張してきた！！！おぇっ…」
JA「ちょっと！アンタさっきプデチゲ食べたんだからここで吐かないでちょうだい！クサいわよ！」
YN「ヒョンひどい…なんでそんな冷たいのにアンジュなの！芸名詐欺だ」
JA「はい〜？？アタシほどアンジュって名前が似合う人間いないでしょ！？見てらっしゃい！どこぞの大人数グループのチョンサなんてかすませてやらぁ！！」
「アンジュ、素がでてる。天使の輪っか天界に戻っちゃってるよ」
JA「…あら、やだわ。ウフフ…」
YN「ヒョン…じゃなくて、アンジュの百面相見てたら吐き気おさまった気がする…さすが天使」
JA「あらやだ、褒めたってなにも…飴ちゃんあったからあげるわ。マネヒョンには内緒よ？」
YN「よ！流石天界一優しい天使！」
JA「おほほほほほほほ！」
緊張で若干おかしくなってる2人をマネオッパが回収していく。
別室で準備をするアンジュたちに手を振って、鏡の前に座った。
DA「とうとうね、ジュリ」
「ダインオンニ…」
メイク道具を広げるオンニと鏡越しに目を合わせる。
DA「今日、他の誰よりも綺麗にしてあげる。私に任せてくれるかしら？」
「…もちろんです」
練習生だったころと変わらない綺麗な微笑み。
メイクとして再会した最初の時、この人の運命までも狂わせたかと泣いた私にそうじゃないと優しく抱きしめてくれた。
DA「さあ、目を開けたらそこにいるのはlevのジュリよ。逆境に負けない、私の女神」
さあ、進もう
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作者名：にゃしろ | 作成日時：2021年2月1日 21時
