あの日僕等は (ページ15)

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厄介な存在ページ15

JAサイド

そんなに練習生歴が長くない僕だけど、それなりに交友関係を築く中で頻繁に聞く名前があった。

次のデビュー確実だと言われているSEVENTEEN
類い稀な美しい容姿で一目置かれているジュリ
そして、明るく可愛いと人気があるユナ

けれど、ユナに関してはよくない話もあって特定の女の子にはあまり態度が良くないとも聞いた。
ジュリと2人SEVENTEENに合流することが決まった後、演技の授業で何度か一緒になったヌナが教えてくれたんだ。

「ユナとは以前同じ時間に演技の練習をしてたんだけれどね。その時男子で1番カッコいいって言われていた子と評価の時にペアになった子が、ユナにかなり酷いことされたみたいで…結局男子もその子も練習が全然できなかったせいで評価は散々。辞めてしまったからなにがあったかまではわからないのよ。
けど、気をつけて。ジュリはあの通り人目を引くビジュアルだけど、性格は控えめ。何かあっても自分からは絶対に言い出さないわよ」

ユナに関しては前々からそういう噂があるのに、なんで辞めさせられないかわかる？

「隠すのがものすごく上手いのよ。バレたとしても周りの本性知らずに近寄ってくるヤツらに泣きつくから、結果として被害者が辞めていってしまう。私が注意できたらいいんだけど、前にこの件で揉めて次問題起こしたら退所させるって言われてしまって…だから、ジュアン、アンタがジュリを守るのよ」

ヌナからの忠告を受けて合流した僕だけど、すぐにヌナの言っていたことが事実だったとわかった。

最初の挨拶で持ち前の明るさでメンバーの人気者になったユナは、ジュリのところに誰かが行こうとするとさり気なく話題を出したり用事を頼んだりして関わらせないようにしていた。
ただ、やりかたが本当に上手くて、きっとヌナの話を聞いていなければ僕もわからなかったと思う。

僕も何度もご飯に誘われたり遊びに行こうと声をかけられたけど、その度に入所歴が浅いことを理由に練習したいと断っている。
勿論他の皆に比べてまだまだだから練習しないといけないのは事実なんだけど、必然的にジュリの側にいられることになって一先ずは安心していた。
下手に関わるよりも2人で距離を置けるならば一番安全じゃないか？そう思い始めてもいたんだ。

そのせいでジュリが泣くまで悩んでいたなんて気づかなくて。
実はスングァンが来てくれて一番感謝しているのは僕かもしれない、なんて。

ごめんねとありがとうを込めて2人の頭を撫でた。