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桜木のファールの後、翔陽のオフェンス。
ここでまたも花形が技巧派センターとしての技を見せつけ、リードを広げた。
その後も着々と翔陽が得点を重ね、試合開始6分経っても湘北は1点もとれずにいた。
湘北は翔陽の高さに苦しみ、すでに疲れの色が見え始めていた。
宮城の上からのパスが、またもカットされる。
「ああっ、上からはダメだって…!」
九井もフラストレーションが貯まり、ボヤいてしまう。
それほどに、湘北のメンツの動きが固く、普段のパフォーマンスを発揮できていなかった。
速攻に走る花形にパスが渡り、シュートモーションに入る。
ブロックに飛ぶ赤木だったが、フェイクで透かされてしまう。
そこで下げたボールを待ち構えていたのが、流川だった。
「おおっ!!」
思わず桜木軍団からも声があがる。
翔陽のディフェンスの戻りが早く、流川の速攻を止めようとするが、一人ドリブルで抜き去り1対3を1対2にする。
フォローに走るチームメイトには目もくれず、翔陽ディフェンスの間をくぐり抜けてダブルクラッチシュートを決めた。
湘北のこの試合初得点だった。
流川のスーパープレイに、会場全体も大きくどよめいていた。
目をハートにし動かなくなってしまった晴子を、やれやれ…と見守る松井に藤井。
九井も、面白い子だなーと晴子を笑顔で見つめていた。
その後、流川に触発されたのか、湘北メンバーの顔つきが変わった。
赤木、桜木が連続で翔陽のシュートをブロックし、速攻に走る。
前を走る宮城から、桜木にボールが渡る。
「おおっ!花道にボールが!」
「くらえ翔陽!天才による庶民シューーーッ!!」
観客席にまで響き渡る大声とともに放たれた桜木のレイアップシュートは、リングに当たりもせずにボードに弾かれた。
こぼれ球を流川がそのままリングに優しく押し込み、翔陽との差を詰めた。
「流川君、ナイッシュー!!」
晴子が甲高い声で叫んでいた。
「花道!今のはパスか〜!?ルカワへの!」
「うるせいくそ!!」
桜木軍団はまたも桜木を煽っていた。彼らは応援に来てるのか煽りに来てるのか…よくわからなくなる九井だった。
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作者名:宮永 | 作成日時:2023年7月18日 15時