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数日後

湘北高校は順当に勝ち進んで行き、ついにシード校である全国常連校、翔陽高校との試合を目前に控えていた。

翔陽戦の前日である夜、九井は買い物のために外出していた。

大きな病院の前を通りかかると、またも見覚えのある人物が出てきたのだった。

「あれ、みっちゃん」

「ゲ」

「ゲって何よ」

病院から出てきた三井と軽口を叩き合う。

九井がふと、三井が出てきた病院の看板に目を向けた。

「ヒザをな、見てもらいにな。もうバスケやっても大丈夫だとよ。」

「…そっか、よかった。」

心地いい夜風が、二人の頬を撫でる。

「…もうここには二度とこねえと思ったけどな……」

「病院抜け出して迷惑かけたんだもんね。」

「おまえなあ…。」

三井にはつい、意地悪なことを言ってしまう九井。

「次は翔陽か…。海南大附属と並ぶ強豪だ…。だが負けやしねーぜ!この三井寿が加わったんだ!」

海南、という言葉にピクリと反応した九井だったが、三井はそれに気づく素振りがなく歩き始める。

そこを、ヘルメットをかぶっていないバイクの男が通り過ぎた。

「……!!」

三井とバイクの男が向き合う。バイクの男は、体育館を襲撃時タンクトップだった、あの男だった。

「鉄男…。」

「三井…か…?」

九井は、2人と距離を取り見守ることにした。

鉄男が九井と同じように病院の看板に目を向ける。

「ああヒザを検査してもらったんだ、一応。」

そう答える三井に、鉄男はタバコをつけながら言う。

「なんだその頭は。スポーツマンみてーだな。」

「…!」

「ま…そっちの方が似合ってるよ、おめーには。」

鉄男はそう言ってタバコを咥えたままニヤリと笑った。

「鉄男…」

パトカーのサイレン音が、近づいてくる。

「おおっと、追いついてきやがった。まいたと思ったのにな。ヘルメットってのがキライでよ。」

鉄男はそう言うと、タバコを床に押し付けてバイクに跨った。

「じゃな。スポーツマン。」

そう言い去った鉄男を、サイレンと赤色灯を焚いたパトカーが追いかけていった。

「じゃあな…鉄男。」

鉄男の背中に、三井はポツリと漏らした。

九井はそっと三井に近寄った。

「夜はまだ冷えるね。」

「…そうだな。遅いし家まで送るぜ。」

「え…!?」

三井の言葉に目を見開くと、三井は九井を置いて歩きだしてしまう。

「あ、みっちゃん…!」

「明日、ぜってぇ勝つからよ…。応援頼むぜ。A」

そう言われ、頬の緩みが抑えられない九井だった。

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設定タグ:スラムダンク , 三井寿 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:宮永 | 作成日時:2023年7月18日 15時

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