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キスしてほしい izym ページ22

Ymmtside


「山本からキスしてほしいんだよねぇ…」



「…はぁ?」




あまりに突拍子のない発言に思わず声を出してしまった。




キスする流れなど一切無く、ただ二人でテレビを見ていただけだというのに突然何を言うんだこの人は。




「ちょっとそんな目で見ないでよ!」



「いやいきなりそんなこと言われたら誰だって驚きますよ!」



「だってさ、不意に思いついちゃって。いつもキスするの俺からだなぁって。」



「それキスしようとしてましたよね?」



「んーん?」



いや別に?というような顔をしている伊沢さんに心の中で溜息をつく。でも確かに、長年一緒にいるというのに僕からキスしたことは無いかもしれない。っていうかしたくてもできない。しようと思ったことはあるんだけど、伊沢さんの目を見ているとなんだか引き込まれそうな気がして。全部見透かされているような。緊張して、キスなんてできない。




「ねぇお願い、一回だけ!」



「えぇ…」



伊沢さんは僕との距離をぐっと近づけた。



「ほ、本当にするんですか…」



「勿論。」



伊沢さんは早くしてと言わんばかりに僕のことをまじまじと見つめてきた。僕が伊沢さんの目に弱いことなんて知ってるくせに。はぁ…僕は心の中で決意を固めて、ゆっくりと顔を近づけた。あと少しというところで目を瞑ると、ぐいっと引っ張られる感覚がした。




「んんっ!?」



伊沢さんは僕の頭を強く引き寄せて、強引に口づけた。



長いような短いような甘ったるいキスから解放されると、目の前にはしたり顔の伊沢さんがいる。



「ちょっと!今しようとしてたのに!」



「だってあんな焦らされたら我慢できねーよ」



そう言ってふふっと微笑する彼に腹が立つが、この笑顔を見たら許してもいいかなって思ってしまう自分がいるのは否定できない。



「……ベット行く?」



「何でですか!」



「そういう気分になっちゃった。」



僕の同意も得ず彼は僕をひょいっと持ち上げた。



「ちょっ!?いいって言ってないですけどぉ!」



「山本だって期待してるくせに。」



「違いますよ!?」



いつか余裕ぶっている彼を照れさせてやる。絶対にだ。

もう俺の手の内 sgym→←↓



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ハル(プロフ) - sky nijinさん» 神作だなんて滅相もないです…!これからもご期待に沿えるように頑張ります! (2021年2月3日 17時) (レス) id: 5084a000b4 (このIDを非表示/違反報告)
sky nijin(プロフ) - 全然待ってませんよ!やっぱ弟組は最高ですよ!本当神作ですよ。もう一個も楽しみにしてます! (2021年2月3日 16時) (レス) id: 7dd3f1530b (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - sky nijinさん» 本当にお待たせしました!リクエスト作品投稿いたしましたので是非!もう1つのリクエストもなるべく早く書き上げます! (2021年2月3日 16時) (レス) id: 5084a000b4 (このIDを非表示/違反報告)
sky nijin(プロフ) - こちらこそ小説かいてくださるので出来る限り説明上手くしときます… (2020年12月23日 15時) (レス) id: 7dd3f1530b (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - sky nijinさん» いえいえ!丁寧にありがとうございます! (2020年12月23日 15時) (レス) id: 5084a000b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2020年10月16日 23時

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