１４９ ふくめない ページ49
引かれた腕にくぎ付けになっていた。気づいて上を向こうとすれば反対の手で目元を覆われる。
白膠木「見ちゃ駄目。見ちゃったら四本目渡すことになっちゃう」
壁見「あってる。声を聴いてる・・・触れている・・・セーフ、なの？」
白膠木「俺がセーフだと思えばセーフなの」
壁見「中２は不可抗力だったのに・・・」
白膠木「あんなの心配で飛び出すに決まってるでしょ？」
他校の不良に絡まれた後輩を助けた壁見。しかし相手に鉄パイプで殴られ、意識がもうろうとしていた時、全員白膠木が殺したのだ。
あの謹慎はどちらかといえば自宅待機に近い物。警察による安全のための自宅待機だった。
白膠木「とにかく目があったからアウトでーす」
間延びした声。壁見がむくれていると急に腕をひかれ、体が密着する。腰元と背中に違和感を覚える。
白膠木「あー、落ち着く・・・」
白膠木が壁見を抱きしめたのだ。ぐりぐりと肩に頭をこすりつけている。目隠しがなくなった壁見は上からあたる太陽の光にすこし顔をしかめ、
壁見「目隠しいーの？」
白膠木「顔見えんし・・・」
なんとも適当だ。壁見からしたら命がかかっているような彼との再会。もっとちゃんとしてほしいものだ。しかし当の本人はどこ吹く風でただ強く壁見を抱きしめていた。
壁見「・・・」
壁見はなにも言わなかった。聞けば教えてくれるだろう。彼は壁見には甘い。それは壁見もよく知っていた。
迷っていた。
この男を拒絶するべきか。
周りに迷惑をかける。不安をかける。
大事な従兄に多大な心労をかけるということを壁見は理解していた。
現に今も両の腕は宙を彷徨っていた。
上げては下げて、上げては下げてを繰り返す。手持無沙汰でふらふらとしている。
そしてそれは白膠木も気づいていた。
白膠木(あぁ、警戒でもあるのかな・・・寂しいなぁ・・・腕、回してくれないんだ)
すこしシュンとして頭をたれる。そしてまたぐりぐりと額を肩に押し付け、腕に力を込めていく。どこか犬耳としっぽが見えるようだ。
腕に力をこめれば壁見の体がぴくりと震える。顔を見れないのが残念だと本気で思った。
白膠木(今、どんな顔してんだろ・・・照れてる、かな？いや怖がってるかも。嫌がってるかな、怒ってるかな・・・嬉しそう、っていうのは可能性低いか・・・)
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安良岡(プロフ) - やえさん» コメントありがとうございます。そうです！彼はかっこいいんです！それを理解してくれる人が増えて私も嬉しいです。楽しみにしていただけてとても嬉しいです。これからも頑張ります。 (2020年1月12日 20時) (
レス) id: de63d941bc (このIDを非表示/違反報告)
やえ(プロフ) - コメント失礼します。 とても面白くて、一気読みしてしまいました。この作品を読ませてもらって、エッジショット様のかっこよさに気づかせてもらいました。 本当にありがとうございます！ これからも、更新楽しみしています。 頑張って下さい！！ (2020年1月11日 12時) (レス) id: 983d46899e (このIDを非表示/違反報告)
安良岡(プロフ) - 希羅アイラさん» いっそのこと振り切ろうと思っていたので笑っていただけてとても嬉しいです。応援ありがとうございます。あまり待たせないようにこれからも更新頑張ります (2019年12月24日 13時) (レス) id: de63d941bc (このIDを非表示/違反報告)
安良岡(プロフ) - ザジさん» 嬉しいと言っていただけて私もとても嬉しいです。これからもまだ絡みはあるので応援にこたえるために頑張ります！ (2019年12月24日 13時) (レス) id: de63d941bc (このIDを非表示/違反報告)
希羅アイラ - 凄い…本当に凄いです…！（語彙力の喪失）環くん好きなので求婚は笑いましたw 壁見ちゃんも作者さんも応援しています！いくらでも待ちますので更新がんばってください！ (2019年12月16日 11時) (レス) id: 8d048d79ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：安良岡 | 作成日時：2019年10月13日 22時
