４７ カッター ページ47
入出「大丈夫ですよー。俺達赤松さんに留守の間って頼まれてるんです。」
入出がこわくなーいこわくなーいと言いながら近づく。それを見て海亀が焦った声で、
海亀「アカツキ下がれ！！」
入出「え？」
入出の目の前に刃が出された状態のカッターが突き付けられた。
鶴崎「嘘・・・。ミウちゃんが学校やバイトでいないときも一人だったもん・・・それにミウちゃんは私に隠し事とかしないもん！！お兄さんたち誰なの？ミウちゃんはどこなの？！」
幼い少女の信頼の結果だ。カッターが眼前にありへたに動けない入出とその後ろの面々。海亀は一縷の望みをかけて指を動かした。
トントンという音とザッとひっかく音。鶴崎がそれに反応し、足で答える。
鶴崎「・・・。」
五分ほどその状況が続いたのち、カッターが降ろされた。しかし警戒からだろう刃はしまわれておらず入出は冷や汗を浮かべる。
入出「な、なにしたんですか？」
海亀「小さい頃に作ったオリジナルのモールス信号。通常の奴と五個ずれてるんだよ。あがおだったりな。それで状況を説明した。ある程度な？取り合えず自室があのマンションを模してるからそっちに連れてくよ。そっちの方が安全だし。」
海亀が鶴崎に近寄り手を引いて移動を開始した。
６階。
鶴崎は自室に戻ってきた。時間的に赤松がいない時間で助かった。
海亀「じゃあまた来るからな。」
そう言って置いていく。鶴崎の場合この方が咲くと思った海亀なりの行動だ。案の定いろいろ言われたが五分後戻ったら実際につぼみになっていたため全員納得した。
入出「ごはん時ですがどうします？テンコさん。」
更屋敷「んー・・・思いっきり警戒されてるものね・・・。」
ザクロ「あのままでも華は咲きそうだな。」
駆堂「咲くか？」
海亀「いや咲くな。後は甘い物でダメ押しすればいい。それに食事を与えるは逆効果だと思うぞ。あの時のあいつはたぶん赤松の飯以外食いたがらない。」
入出「じゃあどうするんですか？」
海亀「作り置きがほとんどだったらしいが赤松が出来なかったときは戸棚の菓子をつまんでいたらしい。それに大きいテンコはいつも赤松に教わったおにぎりを常備してるからそれ食ってるな多分。」
入出「大きいテンコさんナイスです！」
駆堂「超ファインプレーじゃねぇか！！」
ザクロ「まぁ後で一応様子でも見に行くか。」
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作者名：安良岡 | 作成日時：2019年7月28日 14時
