愛しき共犯者様へ (ページ39)

今日:21 hit、昨日:7 hit、合計:51,360 hit

３９　デスダンジョンページ39

海亀「お前ら戻れ・・・。」

駆堂「一人で見続けるのかよ！？無茶だぞ！？」

ザクロ「一回目をそらせ！！これ以上はお前も危険だ！！」

海亀「うるせぇ・・・目そらすわけにはいかないんだよ・・・！！」

鶴崎「あぁ！！ぐっう・・・うぅ・・・。」

ブーメランのように飛来した刃が彼女のセーラー襟を突き刺し壁に縫い付けた。

鶴崎「あ、諦めない・・・！！あぁ！！」

セーラー襟を引きちぎり、地面に崩れ落ちる鶴崎。傷ついた膝と手を酷使してなんとか立ち上がろうとするが血ですべり倒れてしまう。

駆堂「クッソ！！」

駆堂が前の座席を蹴り上げ大きな音が響く。

鶴崎「か、帰るの・・・！！まだ・・・わかってない・・・ミウちゃんの事・・・全部わかってない！！・・・まだ、アンヤ君に言われたことできてない・・・！！私は、ちゃんと帰って皆の事を・・・信用したい・・・！み、皆の所に・・・帰るの！！」

壁を使って必死の思いで立ち上がる鶴崎。なんとか足を動かし進もうとする。

鶴崎「頑張らなきゃ・・・頑張らなきゃ・・・痛いのも辛いのも我慢しなきゃなの・・・！そうじゃないといけないの・・・！私は・・・私は・・・！こんなところで・・・ユウの方がつらいはずなの・・・痛いはずなの・・・倒れちゃダメ・・・倒れちゃダメ・・・！大丈夫、大丈夫・・・ミウちゃんの方が痛かったはずだから・・・この程度で弱音なんて・・・いけないの・・・。」

必死に自分に言い聞かせるようい言葉を並べる鶴崎。

海亀「もう、戻ってくれ・・・パズルの方に集中してくれ・・・。こっちは俺だけで十分だ・・・。それに・・・これは作り物だから・・・。」

駆堂「は？」

海亀「お前らは知らないだろうがあいつは苦しい時右足から歩くんだ。今のは左からだった。これは作り物だ・・・大丈夫だ。あの悪趣味だからこれくらい作るさ。」

ザクロ「本当か？」

海亀「あぁ・・・頼むからパズルに行ってくれ。」

ザクロ「・・・・分かった。」

駆堂「チッ・・・！」

扉が閉まる音がする。

嘘である。彼女にそんな癖はない。リボンを庇った時点で、あの叫び声の時点で・・・なにもかもが彼女だと断定できてしまった。

海亀「クッソ・・・！！」

必死に足を進める鶴崎。そして次の瞬間・・・

鶴崎「あああああぁぁぁぁぁあああああぁぁあああ！？！？！！？」

彼女の右足に太い針のようなものが突き刺さった。
　