愛しき共犯者様へ (ページ32)

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３２　砂漠ページ32

１３番街僻地カラカラ砂漠

入出「アンヤ君・・・暑いです・・・。」

駆堂「言うな。余計暑くなる。」

入出「パカさん～・・・目的地まだですか・・・？」

パカ「もうまもなくでございます。」

駆堂「チッ、見てるだけで暑苦しい・・・。」

パカ「おや？駆堂様はもうへばってしまいましたか？この過酷な状況下、どなたが一番無理をしているかわかっていますか。そう・・・ワタクシでございますね。正直ね・・・マジきっついのでございます・・・。」

駆堂「知るか！！」

アタッシュケースを両手で持って頭の上で日よけに使っている鶴崎。ぶっちゃけ腕が限界なようだ。それを見かねた海亀が自分がたっている右側の横を持って、右手だけでも話すことを促す。それに感謝しながら右手をおろしポケットから扇子を二つ取り出し、片方を海亀に渡す。今の格好は二人とも結構崩れており、海亀はブレザーを脱ぎ、袖とズボンの裾をまくっている。竹刀袋は相変わらずで邪魔そうにしながら赤い扇子を高速で振っている。鶴崎はまんま私服で、白い裾と袖がフリルのようになっているシャツに薄ピンクのジレ。黒のスカートにスリッポンという恰好で珍しく黒タイツを脱ぎ捨てた素足の状態だ。

海亀「お前そんな服持ってたっけ？」

鶴崎「ミウちゃんの。」

海亀「あー。」

ゲームの説明を聞きながら雑談を交わす二人。参加者は駆堂と伊奈葉に決まり、今はコテージの庭？のような部分でスイーツを食べている。四人とは違う隣の席に座り無言の間をつなげている。しかし二人の表情はとても笑顔で時折急に笑ったりしていた。なぜかずっと机を指先で叩いたり擦ったりしており、それを繰り返していた。路々森にはそれが何かわかったのだがいかんせんそれ言葉が会話にはなっておらず首を傾げていた。

メロンソーダにバニラアイスを三つほど盛られた物をひたすらスプーンで削っていく鶴崎。それを見ながら目の前に座っている海亀はもくもくと追加されていくスイーツを食べ進めていく。そのペースがとんでもなく早く更屋敷が驚いていた。鶴崎は慣れているのだろう。時折スプーンに乗った状態で差し出された物をぱくりと食し、満足げにサムズアップをしていた。そんなやり取りを挟みながらもずっと片手は机に打っており、無言の状況が続いていく。

更屋敷「会話しましょうよ！？」

耐えきれなくなった更屋敷が叫んだ。

鶴崎「あー、知らない？モールス信号。」

海亀「小さい頃に作ったオリジナルバージョン。」
　