１５ 第四ステージ ページ15
部屋の掃除を開始した。主に鍵付きの部分。
鶴崎「落ちない・・・。」
落ちない。壁についた血液。
今後何があるか分からないからもしこの部屋を人に見られたら終わる。必死にタオルをごしごしとこすりつける。
鶴崎「落ちない・・・！もう壁紙でも張り替えようかな・・・。」
ぼんやりした思考で思う事はただ一つ。「どんな人だったのだろう。」
逃げ出す少し前。「全部話すよ」といってくれた。今まで何をしてしまったのか全部。
此処で死んだのは「天涯孤独な画家の男」だから死んでも捜索願とかの一つもなかったのだろう。
「貴方と出会って甘いをしった。」
「嫉妬っていう初めての苦い感情がたまらなく嬉しかったの。」
「貴方と未来を考えるのが楽しい。楽しいの。」
「生きるために愛するんじゃなくて愛するために生きて、死ねたら。」
嬉しそうな顔で私へ愛を語ってくれる彼女の顔が今でも鮮明に思い出せる。嬉しそうだったな。
鶴崎「甘いのがほしいな・・・。」
飴は大切にしたいから残しておきたい。そういえば昨日の夜から何も食べていないことを思いだし食堂へ向かった。
そこには不機嫌そうな更屋敷と路々森がいた。更屋敷は嫌がっているようだったが本心からの拒絶とは思えずほほえましいなとみていたら気づかれた。
更屋敷「あ、テンコさん。」
ユズ「おぉ！テンテン！！どうしたの？」
鶴崎「甘いのがほしくてね。・・・適当にこの辺のお茶菓子食べていいのかな？」
ユズ「いいんじゃない？」
鶴崎「ならよかった。」
チョコレートを数個取り部屋に戻る。「なにをしているの？」と聞かれたから「整理」と答えた。
掃除を続けていたら夕方になっていた。そろそろゲームも終わっただろうとラウンジのような共有スペースに足を運んだ。案の定実況組が帰って来ていた。すると入って来た忍霧が口を開いた。
ザクロ「全員いるか。話しておきたいことがある。」
その瞬間、後ろから強烈な破壊音が鳴った。大きく穴が空いた壁。バラバラと崩れる瓦礫。真ん中から得体の知れないなにかが覗く。すぐそばにいた忍霧はツタに足をからめ取られ引き摺られる。
更屋敷「何・・・これ？」
鶴崎「っ・・・。」
パカ『ピンポンパンフェ〜〜。緊急連絡。ルール違反者ペナルティのため難易度Sステージをご用意しました。巻き添えの皆様あしからず。第4ゲーム「ミミクリー・マンイーター殲滅」――開始でございます。』
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作者名：安良岡 | 作成日時：2019年7月28日 14時
