リリー先生と私の初恋

おかしなった！ ページ20

『お兄ちゃん〜、大丈夫？』


山「ん、…何とか…」



兄の健人が何年かぶりぐらいに


ひどい風邪をひいたみたいだ


しかも、よりによって


両親が出張中



今日は土曜日やから学校が休みなのが

唯一つの救い



今は、ドラッグストアで薬とゼリーとかを買ってきたころ



『さっきのお粥食べた？』


山「いや、食べてへん」



『え〜、何か食べんと良くならんよ』


『ゼリー食べる？』



山「嫌や、食べたない」


そう言って子供みたいに首を横にふる


駄々こねるし、熱で顔も赤いからもっと子供みたいや



『でも食べんと……』


山「じゃあAが食べさせて」


『は？なにいってんの？』


『自分で食べて〜や』



山「じゃあ、食べへん」


とプイッと顔を背ける


何それ、めっちゃガキやんww



『もう〜分かったから、はいっ』


ゼリーをお兄ちゃんの口元に持っていくと


手首をつかまれる



『え？なっなに？』


ゼリーを近くの机に置かれる



山「無防備すぎんねん、アホ」


『えっ…ちょっと……何…っうわっ！』



ドサッ



気づいたら、手首をつかまれて



ベッドに押し倒されていた



『え？！なっ…何してんの？』


『ちょっと……お兄ちゃ……』


口を手でふさがれる



山「健人、……やろ」




なっ……何？



いつものお兄ちゃんとちゃう



あの時みたいな、私がお酒を飲んじゃった時みたいな



切なそうな顔



男の子、……みたいな




お兄ちゃんの顔が私の耳元まで近づいてくる




『えっ…ちょっ……待っ………』



山「顔、真っ赤やん。可愛い」



『…っ…………』






顔がさらに近づく


息が耳に触れた


2人………







『あ、ああぁぁ…アカ〜ン！』



そう言って、お兄ちゃんを押しのけて



部屋から飛び出す




『なっ……何やって…は？…えっ…ばっ…バカ』




頭の中が真っ白になる



大パニックや



え？風邪で頭おかしなったんか？



私のこと、誰かと間違えたんか？



たくさんの？マークが浮かぶ




とりあえず、今日はお兄ちゃんに近づけんわ



でも、風邪ひいてるし



お母さん達は明後日まで帰ってこんし



どうしたら……






考える間もなく家を飛び出して


三件となりの


洲崎くん家のインターホンを鳴らしていた




ピンポーン♪



洲「は〜い。お、Aやんか、どうしたん？」





『洲崎くん、助けて！お兄ちゃんが、風邪で頭おかしなった！』



洲「え？」

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