ウィンターブレイク3 ページ37
内田は先輩をじっと見た。
先輩は何をどこまで知っているのか。
先輩は口が固い。
まず間違いなく守ってくれる。
GKだからな。
先輩を見つめながら、内田は思い切って言ってみた。
「ええ、俺の彼女、大物なんすよ」
「・・・」
「先輩、リストを弾きこむと肩にまで筋肉がつくってのは、ホントですかね？」
先輩の目を見つめたまま内田が言った。
内田の目が鋭く底光りしていた。
めったに見せない男っぽい表情だった。
先輩はふーっと息をつき、ロックを一口含んで言った。
「今度サインたのむわ」
内田は眠り込んでる吉田の傍に座った。
吉田。
飲めない酒、そんなに飲んで。
つらいな。
お前は真梨香ちゃんの苦しんでる姿を見かねて、その苦しみの元を取り除いてや
ろうとしたんだろ？
でもそれは真梨香ちゃんが望まないことだったんだ。
真梨香ちゃんは真っ向からフルートに立ち向かってんだろ？
大したファイターじゃないか。
見てるだけって、つらいけど。
俺も、俺もピアノで芙希が苦しんでも、なんにもしてやれない。
芙希がそれを望むなら、どうもしてやれないままほっておく。
ピアノ弾かない芙希は、芙希じゃないから。
俺がいない芙希も。
芙希は、サッカーしてる俺を、すごく好きでいてくれて、誇りにも思ってくれてる。
だから俺はサッカーやって芙希を元気づけるだけなんだ。
俺が苦しんでいても、芙希も何もできない。
でも芙希がピアノ頑張って弾いてくれたら、俺は何が何でも勇気出すよ。
お前にも、何もしてやれない。
いつも世話になってんのにな。
お前のやさしいところ、みんな好きなんだぜ。
「きめー。内田ヤメロ―。むにゃむにゃ」
吉田が寝言をつぶやいていた。
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夏葉(プロフ) - るんさん» コメントありがとうございます。後々フキ・ミズノと表記する必要がございまして名前はそのままにしてあります。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。 (2016年6月2日 19時) (
レス) id: 1d70d57a63 (このIDを非表示/違反報告)
るん(プロフ) - 初めまして。質問なんですが、こちらは名前変更できないのでしょうか？ (2016年6月2日 9時) (レス) id: 49a0f348ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みと（りら・夏葉） | 作成日時：2014年8月25日 17時
