２１話 ページ22
ーA Sideー
そう怒鳴られたが、私は氷を使わなかった。
樹「……へえ、やっぱ抵抗しないってことは俺にこういうことされたかったんでしょ？」
より一層強く締め付けられるのが分かる。
痛くないけど。
焦「っ！！！」
焦凍が樹に向かって氷を出した。
樹の腕が凍ってる。
樹「いったあ……。あれ？俺なんでこんなところに……A？焦凍？どうしたの？？」
焦「―――？」
樹の様子がおかしい。
いやさっきからおかしかったけど、もとに戻ってる……？
私と焦凍は今まであった出来事を、全て樹に話した。
樹「ウソ……俺、そんなことしてたの？ごめんA、焦凍…………ホントごめん…」
そして何度も頭を下げてきた。
話によると、昨日の夜から記憶がなかったらしい。
丁度、ラインしてたころだ。
恐らく誰かの個性事故だろう、と焦凍が言った。
樹は昨日、その個性を持つ人の欲を満たそうとしてしまう個性の人と遊んでいたらしい。
樹「でも……今回はAを怪我させなくてよかったよ本当に…………」
焦「本当だ。焦ったぞ」
『今回……？』
私がそういうと、２人は「しまった」というような表情を見せた。
『ど、どうしたの…？』
焦「いや、なんでもない」
「それより早くここからでるぞ」とさっさと出て行く焦凍に私はついていく。
電車を降り、樹に「またねー」と手を振って別れ、焦凍と家を目指して歩く。
『…………』
焦「…なあ」
『な、何？』
焦凍は少し怒っているような声で話しかけてきた。
焦「なんで今日、樹にやられてるときに
『っ』
なんでそれを聞くかなあ焦凍。
『それは、焦凍がよく知ってるはずだよ……』
焦「例え嫌いな人の個性だろうが、自分が危険な目にあってたら使え！何のための個性だ！！」
歩きながら焦凍が怒鳴ったせいで、通行人の視線が集中する。
『っでも、そんなこと言って焦凍だって、私の立場にあったら絶対
私もつい言い返してしまった。
焦「それとこれとは話が別だろ！あの状況でもし俺がいなかったら、お前何されてたか分かったもんじゃねえ！」
『うるさいなあ！ていうかなんであのときあの場所にいたの！？』
焦「っ…それは」
『自分のことも出来てないのに人の心配とかしないでよ！！！
焦凍のバカ！！』
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作者名：派閥弁当 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年6月11日 1時
