痛くない、けど痛い。【ヒロアカ】 (ページ3)

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２話ページ3

中学三年。春。

私と焦凍は、ヒーローになりたいと思っている。

志望校はもちろん、雄英高校。

だから、お父さんに鍛えてもらっている。

でも、焦凍とお父さんはとても仲が悪い。

今日も中庭で、３人で特訓をしている。

焦「……」

エ「焦凍ォォ！！何故氷ばかり使っている！炎も使え！！最高傑作なんだぞ！！」

焦「本当にそれしか言えねえのかてめえは……！！」

焦凍は、炎を使おうとしない。

あの出来事があったからだろう。

私は。

エ「A！！お前は氷を使わないのか！！それじゃあ俺と同じじゃないか！氷を使え！！！」

『っごめんお父さん……。でも、やだよ…』

エ「何故だ！！！」

『だって……

氷は、お母さんの個性だから。使いたくない。使えない。

ねえ焦凍。お湯をかけられた人の個性なんて、よく使えるね。どうして？』

少し意地悪に笑ってみせた。

案の定、焦凍はキレた。

霜が降りた体をこっちに向けて、言い放った。

焦「おまえ……。ケンカ売ってんのか。」

『だったら何？』

焦「っ！！」

焦凍は私に向かって氷を使った。

だから私も炎を使った。

相殺。

どころか、私が氷を全て溶かした。

焦凍の右腕を掴み、足を引っ掛けて転ばせ背中に乗った。

『私だってお父さんのこと、そこまで好きじゃない。でも……

焦凍のことまで傷つけたお母さんは、もっと許せないの！！』

そう怒鳴った私を、焦凍は息を切らしながら聞いている。

お父さんは、頭をかいて部屋に戻った。

エ「……今日はもう終わりでいい。ストレッチ忘れるなよ。飯だ。」

『………わかった』

空を見上げるとすっかり暗くなっていて、星が見えた。

焦凍から下りて、小さく『ごめん……。ちょっとやりすぎちゃった…』と謝ってから部屋に向かった。

焦凍の反応は見てないけど、舌打ちが聞こえた。

別に焦凍のことは嫌いじゃない。でも、好きになれない。

もう…なんかやだ。