痛くない、けど痛い。【ヒロアカ】 (ページ13)

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１２話ページ13

『そりゃそうでしょ。その子かわいそうじゃん。』

焦「そうなのか。でも…」

でも？

何かあったのかな。

『どうしたの？』

焦「前にも似たような手紙を何回かもらったことがあったんだが、別にそいつのこと好きじゃなかったし断ったんだ。

でもそいついきなり泣き出して、３日間学校来なくなってた。」

え、え？？

そんなことがあったの？

焦「返事がほしいって言われたから返事してやったのに、悲しむなんて意味分かんねえ。
だからもう返事しねえ方がいいんじゃねえかって思うんだが。」

すごいな焦凍。モテるんだな。

同じ血のつながった私が言うのはヘンかもしれないけど、焦凍ってイケメンだよなあ。

『……いや、でも返事はしたほうがいいよ。断られるってことも考えてるだろうし。
ていうか焦凍。断るの？』

焦「ああ。」

表情を何一つ変えずに、焦凍はそういった。

少し安心した。

……安心した？

いやいや、何に安心するんだよ。おかしいなあ私。

『…とりあえず断るんなら、それも返事だししてあげなよ。何も返事しないのは失礼だよ。』

焦「わかった。」

焦凍は手紙をバッグにしまった。

そしてまた前を向いて歩いた。

『そうだ。なんでめぐちゃんの告白、断るの？』

あの子普通に可愛いじゃん。あと、多分いい子だよ。

せっかくだから付き合っちゃえばいいのに。

焦「……別に俺はアイツのこと好きじゃねえし、それになんか苦手だ。」

苦手？

焦凍にも苦手な人とかいるんだ。

『……そっか。』

焦「それに今はそれどころじゃねえからな」

うん。そうだった。そうだったね。

私もそうだ。

今は何より、雄英に合格しないといけないんだ。

『そうだね。』

私と焦凍は家に着くなり着替えをして、中庭に出た。

焦「もしかしたら今日もケンカしちまうかもしれねえ」

『私も。だから先に謝っとく。ごめんね』

フッと笑い、私と焦凍は向かい合わせになって、

個性を使った戦闘を始めた。