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接客をスタートしてからというもの、やはりとても忙しく、息つく暇もなかった。まだまだお昼には早すぎる時間のはずなのにご婦人の後に続いて多くの人がお弁当を買い求め、やってきた。そのお陰で飛ぶように売れ、5分でとはいかなかったが1時間もすれば、作っていた分の弁当は全て売り切れてしまった。
「すみません、売り切れなんです。もう少ししたら新しいお弁当が並びますので、少々お待ちください」
トラックの方から香るよだれが出そうになる香ばしい香りを味わいつつ、そんな会話を何回か繰り返していると、
「ごめん、ちょっと処理に手こずっちゃった」
お待ちかねの出来立てほかほかの弁当を持ったロードさんが出てきた。額に汗が少しにじんでいる。香ばしい香りから察していたが、トンカツ弁当や牛肉コロッケ弁当など、揚げ物中心の弁当が多めだ。最初の分よりも少し多めに作られているのは、ピークが近づいてきているからだろう。
「うわぁ…美味しそう…」
「ピークが過ぎたら僕らもランチにしようか」
「はいっ！」
今日の弁当は何にしようかな、やっぱりから揚げ？それともトンカツ？どれも外れがないから悩ましい。
「ななちゃん、今度は接客とお留守番を頼むよ。僕、今から材料調達に行ってくるから、何か対応しきれない事があったらいつでも連絡してね」
「あ、はい」
こくりと頷いた私を見たロードさんは満足げに目を細めると、
「じゃあ、よろしくね」
と、リュックサックを背負って行ってしまった。お留守番は初めてで緊張感が私を襲う。いつも通りの自分…話術だけは無駄にあるので、その能力を余すことなく使ってトラブル0を目指して頑張ろう、と自分に言い聞かせ、大きく深呼吸をした。
続く
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なついろわんこ(プロフ) - 葛湯さん» 閲覧&コメントありがとうございます！パッとした思いつきで書き始めた本作なので知らない間に消えてる可能性もありますが…そのお言葉を力に、更新頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願い致します。 (2022年3月28日 15時) (
レス) id: 7cb3bfc83c (このIDを非表示/違反報告)
葛湯(プロフ) - 文章が読みやすくて綺麗で好きです。更新楽しみにしてます。 (2022年3月28日 4時) (レス) @page4 id: 05825be203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なついろわんこ | 作成日時：2022年3月27日 23時
