真紅に堕ちて食せ【オリジナル】

おーどぶる。 ページ3

〜〜〜♪

「……んぁ」

ヒロインらしからぬ声がでてしまい、お恥ずかしい限りだ。でもみんな寝起きってそんなもんじゃない？

まだ大音量で鳴り続けている目覚ましソングを消すと、大きく息を吸い込んだ。目線を少し上にずらし、壁にかかった時計を見る。よし、時間は予定どおりだ。



今日の夢、何か変だったなぁ……どうしたんだろう、私。サクサクと軽い音をたてつつ、オートミールを頬張りながらそう思った。
夢の中に出てきた男性が誰なのかは分からないし、最後に叫んだ名前も知らない。夢占いで検索でもかけようかな、とぼーっと考えていると手が当たってしまい、

「あっ……」

なみなみに注いでいたいちごミルクが見事なまでに全てテーブルに広がった。

「あーもう、時間食っちゃうじゃない」

自分でやってしまった事に部屋中に響くくらいの大きなため息を吐く。

「朝から散々じゃん…」

夢に出てきたあの男性のせいだ〜！と責任転嫁しながら、ティッシュと布巾で一生懸命拭き取る姿は絶対めちゃくちゃダサい。そう思ったけど、責任転嫁するしかなかった。

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