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【はい、サービスしとくわ！】
差し出されたここのお店のブレンド。
『あり、がと、』
目から垂れ流したままの雫を拭う気にはなれなくて、落ちていくのだけを確認しながら温かいそれに口をつけた。
休憩時間によく飲む、康二くんの練習で淹れるブレンドはいつのまにか店長のものとほぼ変わらない味で。上達度がわかる。
温かさに、ほっと心を撫でた。荒んで汚れた心を、本人の純粋さを表したかのようなコーヒーがそっと浄化していく。心の温まる、優しい味。
【よし！今日はもう帰り！】
『えっ…でも…』
【そんなんじゃ仕事にならんで？今日は割と暇やし、いける！】
いいですよね店長ー？と店に一人で立つ店長に声をかけて、了承を得るとニカッと笑って私を見た。
『ごめんね…今度シフト代わるね…』
【えーからえーから！はよ仲直りしーや？】
それは、難しいかもしれないけど。
『うん、ありがとう。』
バイト先を後にして、スマホを取り出した。
助けてほしい、私を拾ってほしい。康二くんのコーヒーで止めた涙がまた一つ、地面に落ちた。
受話器のマークを押してコールは一度きり。
《へへ、やっぱりかかってきた。》
『たすけて…』
《まかせて、ドロドロになるくらい甘やかしてあげる。》
こうやってまた彼に飲み込まれていく。
もう戻れやしない、深く深く奥底まで堕ちて、溺れてく。やがて息の根が止まるのを待ちながら。
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まのか(プロフ) - もぉぉぉぉぉぉぉ！！最高ですっ！一気に読ませてもらって 仕事の疲れが吹っ飛びました！ｗ更新楽しみにしてますね＾＾ (2020年8月11日 20時) (
レス) id: 496b8676bf (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - すごい面白くてあっという間に読んでしまいました。続きを楽しみに待ってます。 (2020年8月11日 19時) (レス) id: 0585149188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月叶
| 作成日時：2020年8月5日 0時
