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その日は話すことなく、授業をこなして。バイト先へと逃げるように急いだ。
『おはようございまーす…』
【おはようさん!ってなんやその顔!?酷い顔してんで?!】
バイト先の同期、康二くん。関西弁と人あたりの良さが全面に出ていて、お客さんからの人気も高いとかなんとか。
『…友達と、喧嘩してきた…。』
友達、か。
友達だと思っているのは、あべだけじゃないか。
私は友達だと思われてる相手に、恋慕を抱いてしまっているのだから。
【なんや詳しいことはわからんけど、あんま考え込まんときや?】
考え込みすぎんの、Aちゃんの悪い癖やで。と私の身を案じてくれる康二くんに申し訳なくなった。
気持ちが沈んでいく。
康二くんと店長と私の三人に、お客さんは二組。
静まり返るカフェの店内は、私に今日のことを思い返させるのには充分で。
ウォッシャーにかけられた食器やシルバー類を拭きながら、ぼーっとしていると拭いているはずなのに濡れている。
【ちょお!え?!】
康二くんの驚く声で、自分が泣いていることに気づいた。ぼろぼろとこぼれる涙が止まらなくて。
【こっち!】
そのまま腕をひかれて、事務所へと連れられたのだった。
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まのか(プロフ) - もぉぉぉぉぉぉぉ!!最高ですっ!一気に読ませてもらって 仕事の疲れが吹っ飛びました!w更新楽しみにしてますね^^ (2020年8月11日 20時) (レス) id: 496b8676bf (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - すごい面白くてあっという間に読んでしまいました。続きを楽しみに待ってます。 (2020年8月11日 19時) (レス) id: 0585149188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月叶 | 作成日時:2020年8月5日 0時