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佐久間くんの二人きりの机で、何事もなかったように私たちは座ったままだ。手の温もりは未だ、ここに宿っている。
《どーする？泣いとく？》
『泣かないし。』
《そんなに目に涙溜めながら言われてもなー。》
『放っておいて、すぐおさまるから。』
《そ？》
隣に座る悪魔は、傷心の私に更に牙をむく。あべによって抉りとられた場所を深く掘り進めるようだ。痛い、痛すぎて、息が苦しい。
結局のところ、私は自業自得なのだ。
何にも言えない、だけどこっちを見て、私を選んで。
そんなのはあべには関係なくて、独りよがりでのたうち回って、勝手に傷ついて悲しんで。これが何かの物語なら、私はきっと可哀想なヒロインにでもなれたのだろう。
《Aちゃんはあべちゃんのどこが好き？》
手を離した佐久間くんが、頬杖をついて語りかけてくる。
酷いな、私まだ泣きそうなんだけど。
そんなのも彼には関係の無い話か。
『言いたくない。』
《なんで？》
『言ったら、好きが零れちゃうから、』
誰かに話してしまえばいい話題は、誰にも言えなかったんじゃない、言わなかった。あべのことが好き、だけど彼女がいる、それでも好き、だなんて口にしたらもう留めていられなくなりそうで怖かったんだ。
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まのか(プロフ) - もぉぉぉぉぉぉぉ！！最高ですっ！一気に読ませてもらって 仕事の疲れが吹っ飛びました！ｗ更新楽しみにしてますね＾＾ (2020年8月11日 20時) (
レス) id: 496b8676bf (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - すごい面白くてあっという間に読んでしまいました。続きを楽しみに待ってます。 (2020年8月11日 19時) (レス) id: 0585149188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月叶
| 作成日時：2020年8月5日 0時
