13.O ページ13
いや、俺結構待ったよ?わりと我慢した。自由気ままに生きてきたし、忍耐はあんまり好きじゃない。うん、頑張った。もういいっしょ。
最初はまず同衾。いわゆる添い寝ってヤツ。これに慣れときゃイロイロ事に及びやすいだろ。
突然寝室行って怪しまれても困るし。
…突然家に押しかけた奴が何言ってんのかって?
いいのさ!だって俺は社長だもんね!
ああ見えて翔くんは押しに弱い。今じゃバリバリの営業マンだけど、きっと昔は押し付けられた仕事を全部笑って引き受けてたに違いない。俺の勘が正しければ、翔くん――アイツは落ちる。そして何より予定調和を重んじて、アクシデントや初めてのことには滅法弱い。そういう男なんだ、櫻井翔というのは。
最初はリビングにあるソファーで寝ていた。すぐにでも一緒にベッドインしたかったけど、まずは住むことを罷り通さなければならなかった。その交渉材料に渋々ソファーを使った。でも住むことが日常になればもうソファーはシメェだ。
頃合いを見計らってそっとベッドに忍び込む。
体幹っつーの?運動神経は良くてね、気配を消して歩くことなんて朝飯前。仕事仲間のニノに忍かよとツッコミをかまされたことを思い出す。
「…カーワイ」
自分の置かれている状況がわかっちゃいねぇんだろうな、と抜けた寝顔を見ていると思わず手が出そうになる。
ゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
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作者名:Mia. | 作成日時:2019年1月16日 2時