第一階層売却者視点(1) ページ36
気がついた時、俺は病院の寝台のような場所で寝ていた。
俺の"役割"は…『薬の実験台』。
安楽死の薬を今から投与されるらしい………が、
明らかに注射器が大きすぎる。
あんなもので刺されてしまえば、安楽死ではない方で死んでしまうことは間違いないと悟った。
…だが、どうする?
腕を押さえられているから、俺なんかが動ける訳がない。
……もう、ダメかもしれない。
「キャアアアアアアァァァアアアァ!!!!!」
そう考えながら目を閉じると、俺の腕を押さえていた看護師のような姿をした人型の化け物の一人が、甲高い悲鳴を上げる。
あまりにも大きな声にだったため耳を塞いでしまう。
ふとその方向を見てみると、その看護師の額に一本のナイフが。
…だけど何故だ?ここは確か10階のはず。
それに、投げられるとしたら窓からだけ。
どうして
こんな所から__
「よーし、58体目〜っと。」
「…人が考え事してる間に喋るな。」
ふと背後から声が聞こえる。
…だけど、姿を見なくても俺にはわかる。
この声は……ユウの声だ。
「んなの知るかよ…っと!」
と、会話の最中にもう一人の看護師を蹴り飛ばし、俺から離れたところで看護師が手放した注射器を踏み潰す。
そして…もう一本のナイフを取り出すと、その看護師にソレを突き刺す。
一撃で急所を刺されたのだろうか。一度ユウに刺されただけでピクリとも動かなくなってしまった。
「こんなに派手にやって……大丈夫なのか?」
「いいだろ、何体殺ったって…」
「そういう問題か……って、おい!?」
俺を無理矢理に寝台から立たせたかと思うと、いきなり片脇で抱えられる。
すると、ユウはそのままドアを踏み倒し、まるで車やジェットコースターにでも乗ってるかの勢いでとある場所へと走っていく…
「っし…ここの奴やっちまえば、すぐ帰れるぜ。」
「……は?」
疑問を浮かべる俺に、ユウは説明を始めていった。
どうやら、この奥にいる『投資家』を殺して俺のウォレットを回収しなければ、帰ることはできない…らしい。
そして、俺は扉の外で見張りをするらしい。
もし妨害者が現れた場合は、俺の『モノを凍らせる能力』で足止めをすればいいとのことだ。
「…んじゃ、そろそろ行くぞ。」
「了解だ。気をつけて……行けよ」
そう言葉を交わすと、ユウは扉の奥へと進んでいった。
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神桜 - 久しぶりの更新 (2019年7月21日 3時) (レス) id: d3db07a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
神桜 - 体調崩して、暫く更新できないです.... (2019年5月24日 14時) (レス) id: d3db07a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
神桜 - かほりさん» おぉ...!!ありがとうございました!! (2019年5月23日 13時) (レス) id: d3db07a9e6 (このIDを非表示/違反報告)
かほり(プロフ) - なってますのでではなく載ってますのでです (2019年5月19日 16時) (レス) id: 5d3fef41b7 (このIDを非表示/違反報告)
かほり(プロフ) - 非公開になってました… すいません 今度の今度はなってますので、、、 (2019年5月19日 16時) (レス) id: 5d3fef41b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神桜 | 作成日時:2019年5月11日 21時