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Aside
次の日の昼休み。
私は屋上でお弁当を食べていた。
うちの学校では基本 屋上の開放はないのだが、私は先生に頼んで特別に鍵を借りて たまにこうして屋上でお弁当を食べるのだ。
屋上でお弁当を食べるときは2号館の屋上のことが多いのだが、鍵が失くなってしまったとかで 今日は1号館の屋上でお弁当を食べている。
お弁当を食べ終わり、一息つく。
今日はとてもいい天気だ。
風も少し吹いていて気持ちいい。
屋上庭園の花が風に揺れている。
ふと、ここから飛び降りたら楽になるのかな、なんて思ってしまう。
遥斗と別れてからいつもこんな感じだ。
どうしようもなく死にたくなったりする。
気持ちが鬱になってしまうのだ。
そんなことを考えながら下を見つめる。
なんだか本当にこのままここから落っこちてしまいそうだ。
「そこで何をしているんだい?」
いきなり後ろから声をかけられて驚く。
振り返るとそこには藍色の髪の綺麗な少年。
たしか…
『幸村君……?』
幸村君こと幸村精市といえば、女子に人気の男子テニス部レギュラーの中でも特に人気で、部長を務めている人物である。
そういうのには疎い私でさえ知っているのだ。
その人気は途轍もないものであろう。
そんな人物がなぜこんな所にいるのか。
そう思ったが答えはすぐに出た。
美化委員会だ。
彼は美化委員でその仕事をしに屋上にある庭園にやって来たのだ。
そうじゃない限り、屋上には立ち入れないはずである。
一人で納得していると、また声をかけられた。
「生徒会長の……望月さん…だよね?」
そう聞かれて頷く
「下を見て何をしていたんだい?」
『えっと…何もしてない…です。』
まぁ、間違ってはない…よね。
考え事してただけで何もしてないし。
「ホントは…?」
『少し…考え事を……』
反射的に答えてしまった。
「へぇ……どんな考え事をしてたの?」
『…話す程のことでもないので……』
「どんなことでもいいんだ。話してごらん。」
そう言われて
『凄く くだらない話なんですけど……』
少し話してみることにした。
『ここから落ちて、死んでしまいたいなって考えてました。』
「……え?」
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作者名:抹茶きなこ餅 | 作成日時:2017年1月30日 17時