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柳side

俺が初めて望月のことを知ったのは、中学の入学式での新入生代表挨拶のときだった。
 
 
彼女が壇上に立ったときに、彼女を初めて見た瞬間に俺は惹かれていた。
  

所謂、一目惚れというやつだ。
 
 
それから俺は望月を追いかけ続けた。 
 
データ収集は得意なので、一通りの情報は集まった。
  
 

中2のあるとき、望月の好きな人は佐藤遥斗という人物だという噂が流れ始めた。
 
調べてみると、二人は中1・中2と同じクラスらしい。
 
そして、噂が流れ始めてからわずか一週間後 二人は結ばれた。
 

行動を起こすことができなかった自分を憎んだ。
 

だが、憎んだところで何も変わらない。
  
 

とても辛かった。 
  
辛くて、苦しくて、何度も彼女の事は諦めようと思った。
でも、結局諦めることはできなかった。
 
 
 
それから約4年が経ち、俺達は高3になった。
 

中3、高3と生徒会に入ることで望月と長く一緒にいることができた。
仲もだいぶ良くなったと言えるだろう。 
  
 
望月と佐藤は仲睦まじく、もう俺が入る隙は無いと思っていた。
 
だからこそ、別れたと聞いた時とても驚いた。
 

不謹慎かもしれないが、嬉しかった。
だが、それと同時に込み上げて来たのは佐藤に対する怒りだった。
 

何故、彼女にあんな辛そうな顔をさせたのだろう。
何故、別れたのだろう。
 

望月は別れた事は言っても、その理由は言わなかった。
 
 

辛いのを隠して笑っているあの顔を見ると、居ても立っても居られず、声をかけた。
  
 
君はこれで少しでも意識してくれるのだろう
か。
 
……結論は出そうに無いので、考えるのはやめておこう。
 
 
 
そういえば、来週の日曜日に青学との練習試合があったな…
 
出来れば、一人か二人程マネージャーを用意していてほしいとの事だった筈…
……精市に望月をマネージャーにしてもらえないか頼むとしよう。
 
そんな事を考えながら部活へと急いだ。

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作者名:抹茶きなこ餅 | 作成日時:2017年1月30日 17時

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