14話 ページ20
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『…!』
時刻はまだ丑の刻を回ったばかり。僕は不穏な気配を感じさっと飛び起きた。そっと皆を起こさぬ様自身の気配を消し素早く家を出る。
『…やっぱり君かぁ…此処で何してるの?童磨』
暗く不気味な森の中で妖しく瞬く虹色の瞳。
童「やぁやぁA殿〜!元気だったかい?…って危な〜辛辣〜!!」
『避けないでよ〜』
童「誰でも急に顔面目掛けて拳が飛んできたら避けると思うんだけどなぁ」
『で、何の用?』
腕を組みながらただにこにこと笑っているだけの童磨の表情からは一寸程の思考も読み取れない。
童「えぇ?ただ俺は愛しの可愛い可愛いAちゃんとお話しに来ただけなんだけどなぁ」
『嬉しいなぁ!じゃあきっと僕の愛しの童磨くんは僕の嫌がることを全くせずこのまますぐに帰ってくれるんだろうね!!そろそろ朝日が出てくるから早く帰りなよ〜』
童「んん辛辣〜…俺の館に遊びに来なよ〜!たまにはいいじゃないか!」
嫌だ、と最上級の笑顔で返すも童磨は可愛いねぇと言うだけで諦める気配が感じられない。
童「そ、れ、に!お菓子もあるよ?」
『…!』
ぴくりと耳が否応なしに反応する。
童「Aちゃんの為に用意したんだよ〜?かすてらに大福、金平糖まであるよ?来ないのかなぁ?」
『!!!』
態とらしくしょんぼりとして此方を見ている童磨に、此奴…!と心の中で悪態をつく。僕が甘党なのを知っていてこんな話を持ちかけてきている。然し頭では分かっていても本能には抗えない。がっくりと肩を項垂れながら行く…と弱々しく返事をした。
にやり、と童磨が妖しい笑みを浮かべているのに気付かずに。
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ゆりか(プロフ) - お話終わりなんですか?(TT) (2020年8月17日 22時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ありがとうございます!! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - 夢主ちゃんかわゆす (2019年9月16日 20時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - シリアスものんびりもどっちも好きなので大丈夫です (2019年9月16日 15時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ひゃぁぁもうなんか、、好きです…これからも精一杯書かせて頂きます…(´;ω;`) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたゃらしちゃ | 作成日時:2019年9月14日 22時