1話 ページ2
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『暇だなぁ…』
その日は随分と退屈で退屈でたまらなかった。
Aは木の上に腰かけ、足をぶらぶらと揺らしながら呟いていた。
『…あ、そういえば今日は最終選別の最終日だったっけ』
そういうと少女は木から降り、ぐっと背を伸ばしてこう呟いた。
『血気術、水蓮の香』
ふわりとその場に水蓮の花弁が舞い、ふわりと残り香を残しまるでそこには誰も居なかったかのようにただ静寂が訪れた。
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『ん、ついた?ここに来るのは…何十年ぶりだろう』
ぱちりと目を開けるとそこには暗く静かな森が広がっていた。
『(─…ん?静か?)』
おかしい。今は夜、鬼の活動時間だ。いつもだったらもう少し気配がするはず…
『でも…手鬼ちゃんはいるみたいだね』
少し離れたところから独特の雰囲気を感じる。
それと──誰かが戦っている音。
『(妙にぞわぞわするなぁ…見に行ってみるか)』
心の奥底から感じる違和感が気になり、音の鳴る方へ足を進めていく。
『…!』
そこには見覚えのある面を被った、少し背が高い少年と素早い身のこなしの少女がいた。
『手鬼ちゃん、何してるの?』
そうにっこりと微笑んだ自分は傍から見ると──
その場の人物が恐怖で顔を歪めるくらいには、怖かったらしい。
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ゆりか(プロフ) - お話終わりなんですか?(TT) (2020年8月17日 22時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ありがとうございます!! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - 夢主ちゃんかわゆす (2019年9月16日 20時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - シリアスものんびりもどっちも好きなので大丈夫です (2019年9月16日 15時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ひゃぁぁもうなんか、、好きです…これからも精一杯書かせて頂きます…(´;ω;`) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたゃらしちゃ | 作成日時:2019年9月14日 22時