【鬼滅の刃】あほの呼吸【魔法少女】

なたぐもやま ページ15

しのぶ視点


気がついたらその可愛らしいお嬢さんは目の前にいた




木製の笠帽子を深く被り表情は読み取れなかった





技を出そうとした鬼から私をかばおうとしたのか



技を出そうとした私から鬼を守ろうとしたのか





それ以外の理由なのか








…恐らく最後の物だろう




彼女の動きには余裕があった




やろうと思えば私と鬼のお嬢さんの両方を殺 すことも可能だろう



その上抱きつくなんて尚更他の2つは有り得なくなる


なにはともあれ
鬼に抱き着くなんて危険だ見たところ
隊士でも無いだろう





ならなぜあんな動きが？


まぁ助けた後に聞きましょうか…





怖がらせないよう笑顔を作り



｢お嬢さんその子は鬼ですよ
離れなくては怪我をしますよ？｣

そう言おうとした



でも言葉は出なかった



鬼を抱き締めるその姿が



姉さんと重なって見えた




鬼に向けられるその意志は



怒りでも
同情なんかでもなく




純粋な愛


人に向けられる物と同じような愛






鬼にそんな感情を抱けるあなたは




笠帽子の下から覗く笑みすら


どこか姉さんに似ている



貴方は


｢貴方は何者ですか？｣









『僕は最低な人だよ』



鬼はもう塵となり消えていた






残った衣服を握りしめ
一粒涙を零していた

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