三十七仕事 ページ39
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チュンチュンという可愛らしい鳥の声を聞きながら、双葉はゆっくりと瞼を開いた。
そして、覚醒した時うるさい目覚ましの音が耳に入ってきた。
目覚まし時計は相当怒っているらしく、止めないほど音が大きくなる目覚まし時計は、最大音量を室内に響かせていた。
「っうるさ…」
眉を顰めながら鳴り続ける目覚ましを止め、時間を見ると、普段起きている時間から30分も寝過ごしていた。
「え!? うそ、は、ヤバいヤバい」
顔を青くさせながら、双葉を行動を起こす。が、体が思い通りに動かなかった。上手く起き上がれず、ベッドに手をついた。
途端に、体が気だるさを持っていることに気づく。
双葉は、昨日夜更かししたせいだ、と原因を探りながらゆっくり体を動かし、朝の支度を済ませる。
夜更かしなんて碌なことないよ、と自分を戒めながら、双葉は久世が起きてくる時間が迫っていることに焦りを感じていた。
ガチャガチャと煩く鳴る器具が接触する音に、夜更かしの所為かは知らないが苛立ちを感じながら、朝食を作る。
「っくしゅん」
くしゃみが出た。
何とか食材やらにはかからないように防げて良かった、と双葉は安心する。
数十分程経って、無事双葉は朝の任務を終え、ホッと息をついた。
「はぁ……っゲホッゲホッ」
今度は咳が出た。
双葉は、もしかして風邪だろうかと自分の体調を疑った。
朝から何か疲れる感じがするし、くしゃみ出たし咳も出た。
鼻水もいつもより出ていた気がする。
自覚すると、急に寒気がしてきた。
「おい、」
そんなところで、久世が起きてきた。
双葉は、風邪だとか一切悟らせないよう、笑顔で久世を迎える。
「おはようございます、久世さん」
「ああ。おはよう……どうした、体調でも悪いのか?」
何故気づくのかと双葉は、一瞬固まるが、挨拶的な軽い言葉だと察し、悪くないですよー、と返した。
まだ体調が悪いと分かる証拠はないのだし、嘘は言っていない。双葉は心の中で言い訳した。
「あ、すみません。箸持ってくるの忘れてました。すぐ取ってくるので、待っ!」
双葉がそう気づくと、食器棚の方へ行こうとする。
しかし、どうしてか足が縺れ倒れそうになる。
「っわあ」
「お前何してるんだ」
久世に呆れたようにため息をつかれた。
双葉は、久世によって抱きとめられ倒れず済んだ。
「っすみません!」
「いや、いい。…お前本当に大丈夫か?」
「大丈夫です! 多分…」
久世に白い目で見られた。
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壱(プロフ) - 白銀の狼さん» 猫たちの名前は白銀の狼様の案を採用させて頂きました!ありがとうございました! (2019年12月15日 23時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 名前ありがとうございます!わざわざ作者の戯言にも気遣いいただいて…続編は作ります (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 白銀の狼さん» センスある名前ありがとうございます! (2019年12月8日 13時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 猫の名前ですが、きゃらめる、とかちょこ、とかばにら、とかひらがなでスイーツ系でつけてそうです...!私は続編に行こうが見ますし、作者様が作りたくないと言うなら素直に受け止めますのでじっくり考えて続編出すか出さないか決めてください♪ (2019年11月11日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
白銀の狼(プロフ) - 猫さんの名前お母さんはリズ、お兄さんはリオ、弟さんはリトなんてどうでしょう? (2019年11月11日 0時) (レス) id: d028fadf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年5月6日 21時