１、世界の仕組み ページ2
☆☆☆
「ふあぁ〜〜〜〜……」
「おい！ ミラ、仕事中だぞ」
私が大きくあくびをすると、隣のイムが、資料を整理する手を止めてこちらを睨んできた。
あーもー、分かってますって！
「ぐむぅ…というか疲れたー！ 何で天使の私たちが他の種族の手伝いしなきゃいけないの！？」
「ごちゃごちゃ言ってないで手を動かせ。定時に帰れなくなる。…オレは何度お前の手伝いで残業したことか…」
「へいへい、ゴメンナサイねー。この定時上がり魔が…」
「人を通り魔みたいに言うんじゃない！」
私は書類の束をバサッと広げると、仕事に取り掛かった。
「ヘーイ、若手二人組ぃ」
「うおっ」
「わっ」
かれこれ三十分くらい黙々と作業していると、センパイが声をかけてきた。
「先輩。どうしたんですか？」
「私たち今仕事で忙しい…」
「ミラ君、その口答えはnotだよー？これも仕事の一環だ。キミたちにこの動画、確認してホスィんだけど」
センパイはいつもサングラスをかけていて、タイトな服を着ている。
一応天使の制服ってのもあるんだけどカスタマイズは自由だから、色やデザインの配置などでその人の趣味に変えられるんだ。
センパイは年齢と性別が不詳だ。多分女だけどナゾ。怖い…
「センパイ、キャラ濃くない？ すごい疲れそう」
「いやー、社会で生きてくためにこうしたら定着しちゃった〜のさっ☆」
センパイはそう言って笑うと、持っていたタブレットを私たちの間にこちらに見えるようにして置いた。
画面には、何かの動画が表示されている。
「…何これ？」
「初めてこのアマ星に来た人に見せるビデオ。わかりやすさを二人に審査してもらおうと思ってね〜」
「何でオレらなんですか？」
イムが早速動画を見始めながら言う。
「だってキミたち、うちの中で一番若手じゃん？ ほらほら、ミラ君も！」
センパイにそう促されて、私も動画に目を向けた。
〈──死者のみなさ〜ん！ こんにちは〜！〉
…この導入はいかがなものか…。
〈ここは“アマ星”！ 人間はその一生を終えるとまず、魂がこの星に運ばれます！
アマ星は特殊な形をしていて、大きな大陸がタテに並んでいるイメージです！ その大陸を、上からそれぞれ上界、中界、下界といいます。みなさんがいるのは中界で、又の名を“死者の国”、と言いますよ〜！〉
「…やっぱこの世界って初手の情報量多いよな」
イムが頬杖をついて言う。
「そうだよネ〜…そこを何とか改善しようにも、って感じだしぃ？」
私も、この世界の仕組みを覚えるのには苦労したなぁ…。
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有ノ手若葉(プロフ) - ニゲラさん» うわぁありがとうございます！！｡:ﾟ(;´∀`;)ﾟ:｡神作品には…なれないかもしれないけど、頑張ります！！ (10月30日 20時) (
レス) id: d2f665fe39 (このIDを非表示/違反報告)
ニゲラ(プロフ) - 早速来ました！現段階ですでに神作品の予感がする…！ (10月30日 20時) (レス) id: 75011c5dbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有ノ手若葉 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mit2tiskb11/
作成日時：2023年10月30日 19時
