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授業も終わり、教室が騒がしくなる。
「じゃあ、舞ちゃん、朝霧さん、またね! あたしこの後B棟で授業だから行くね!」
「うん。またね!」
「授業頑張ってね!」
陽子が去った後、朝霧は舞におずおずと話しかける。
「えっと……舞さん」
「はい?」
「ここの問題、教えてくれたり……できる? 実は分かんなくて」
朝霧はノートを舞に見せる。舞はニッコリと頷いた。
「はい! 良いですよ。……もしかして、さっき私と陽子さんに気を遣ってくれてたんですか?」
「あはは、邪魔しちゃいけないかなーと思ってさ。僕がそうしたかっただけだから、舞さんは気にしないでね?」
やっぱり優しいな、と舞は思ってから、問題の解説を始めた。
「……なるほど! そういうことか。舞さん、ありがとう。おかげで分かったよ!」
「いえいえ」
その時、教室の入口の方から歓声が上がった。
「「……?」」
不思議に思って、二人はそちらに目を向ける。
「……あー……」
「……そういうこと」
その光景を見て、納得する舞と朝霧。
教室に入ってきた、歓声の上がる原因となっている二人が、こちらに気付いてやってくる。
「おはよ。二人共これから授業?」
「おはようございます。八城さん、朝霧さん」
彼らは、どちらも大学内での女子人気が絶大な人物である。
「おはようございます、翼君、増田さん」
「二人共おはよう! 僕らは今授業が終わったとこだよ」
すると翼は、ふーんと言って舞の隣に座る。増田も、その隣に腰を下ろした。
(というか……)
「相変わらず凄いね、二人の周りは……」
朝霧が教室内を見渡す。男女問わず、ほぼ全員の視線がこちらに集まっていた。
「やっぱり増田さんは注目の的だよね」
「いや、翼君の人気が凄いんじゃないかな?」
「二人共、変なとこで謙遜しないでいいんだよ!! どっちも充分目立ってるから!!」
翼と増田のやりとりに、朝霧のツッコミが入る。
「というか、私は女子からの視線が痛いです……」
先程から、舞に殺気を送ってくる人物が数名いる。
その時、攻略部の人ではない女子の三人組がこちらにやってきた。
「ねえ八城さん、そこの席変わってよ!」
「ちょっとどいてほしいなー」
「私ら、端っこの席好きだからさ」
(ひっ、ひえええ!!)
三人は笑顔だが、間違いなく舞に殺意を浴びせている。翼の隣に座っているのが気に食わないのだろう。
「えっと……っ」
舞が反応に困りオロオロしていると、
「ねえねえ」
翼が、三人に声をかけた。
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有ノ手若葉 - 鈴草風音さん» ありがとうございます!(中学生の頃に比べれば)大人な翼君とその翼君に子供っぽくおねだりするアメリーが見たかった……。 (3月31日 21時) (レス) @page8 id: 960f885de2 (このIDを非表示/違反報告)
鈴草風音(プロフ) - アメリー……可愛すぎる…… (3月31日 21時) (レス) @page8 id: 90ac8e06bd (このIDを非表示/違反報告)
有ノ手若葉(プロフ) - 息抜きで書いてしまった… (12月7日 22時) (レス) id: d2f665fe39 (このIDを非表示/違反報告)
有ノ手若葉(プロフ) - はるねこにゃんさん» 増田さんと翼君コンビは自分で書いてて想像して笑いました(笑)。掛け持ちはやるべきじゃないです…。 (9月13日 7時) (レス) id: d2f665fe39 (このIDを非表示/違反報告)
はるねこにゃん(プロフ) - 面白いです!増田&翼の謎の謙遜からの翼くんのハニトラで笑いましたw(*^^*)あの2人、本当にもててそう。有ノ手さん掛け持ち多いのに更新できてすごい…。尊敬(三個掛け持ちしただけでそろそろやばくなりそうな人です) (9月12日 22時) (レス) @page4 id: 856ed8ef82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有ノ手若葉 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mit2tiskb11/
作成日時:2023年9月2日 7時