新旧部長の推しと推し#3 ページ28
期待しているのは彼女だけでなく、辺りの選手皆が注目している。
そんな緊張感の中、手塚のサービスから始まった第3試合。
表情を一切崩さない彼は相手が大和であれ容赦は無い。
淡々とボールをコートへ叩き込み、あっという間に1ゲーム取ってしまった。
｢おいおい、後輩に押されてるぞ大和！！
締々って行けコノヤロウ！！｣
｢は、はあ……｣
中河内から謎の叱咤激励を受ける大和。
反応に困りながらふと、少し離れたベンチに視線を向けた。
そこには敬愛する彼女の姿。
##NAME1##が見ている。キラキラとした瞳に自分を映して。
##NAME1##が笑っている。自分と手塚国光の試合展開に期待をして。
……そんな顔をされては、その期待に答えざるを得ない。
｢さてさて。このままじゃ、あっという間にやられてしまいますね｣
ラケットを握り返し、深く息を吐いた。
試合が始まる前と変わらない、冷静な面持ちの手塚国光を見据える。
そして反撃だと言わんばかりに今度は大和が仕掛けた。
鋭い打球が二人の間を行き来する。
一見ただのラリーにしか見えない。
しかしーーー
｢っ！！｣
手塚側のコートの上でボールがバウンドして転がった。
周囲がザワつき、手塚が初めて表情を変える。
##NAME1##も驚きを隠せず、前のめりになっていた。
それもそのはず。手塚が、あの手塚国光が空振りをしたのだ。
しかも、全くの見当違いの場所で。
何が起きたか理解しようにも、みな首を傾げるばかり。
唯一状況を把握している大和祐大は、何事も無かったかのようにサーブを構えた。
再びボールが二人の間をテンポよく行き来する。
先程の現象は何だったのか。
ギャラリー皆、注意深くボールと手塚の動きを注視していた。
偶然か否か。
再び大和から放たれた何でもないボール。
しかし彼はそれを捕えられずラケットが空を切る。
手塚自身も驚愕を隠し切れずに、眼を見開いたまま宙を見つめていた。
「眼に映る全てのもの。因縁和合の幻であり―――
夢か、はたまた現実か……」
幻有夢現。
2-1。大和祐大が巻き返し始める。
「なんや##NAME2##にゃん、楽しそうやな」
「国光くんは祐大くんの些細な動作を見抜いて、予測を基に次のプレイに移ってる。
でも祐大くんはそれを逆手に取って、打つ直前にコースを変えて、国光くんの予測を大きく外させてる……」
「対戦相手が優秀であるほど、術中に嵌りやすい」
「祐大くん、こんなこと出来るなんて言ってなかった……！！」
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Haiter(プロフ) - めいさんさん» 返信、更新、共に遅くなってしまい大変申し訳ありません……。停止している間もコメントを頂ける事、大変嬉しいです！励みになります！コメントありがとうございました！！ (11月19日 21時) (
レス) id: fd3983f77f (このIDを非表示/違反報告)
めいさん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしちゃいました!!執筆して下さりありがとうございます!! (9月2日 3時) (レス) @page20 id: abdb809fc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっち - 面白かったです。更新頑張って下さい (2023年2月20日 23時) (レス) @page20 id: f8c9fe1d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haiter | 作成日時：2021年7月25日 21時
