越前リョーマのスペシャルミッション#3 ページ3
「それじゃあ、私からのスペシャルクイズ。
―――ずばり、私の名字はなんでしょうか?♡」
「##NAME1##さんの……?」
「名字……やて?」
「回答権は一度だけよ♡」
その瞬間、二人はこの合宿所に来たときからの記憶を思い出そうと海馬体をフル稼働させる。
彼女の名字……。まず最初に思い出したのは初めて会った時の自己紹介。あの時彼女は##NAME1##とだけ名乗っていた。
次に思い出したのは3番コートの入江さん。だが彼も##NAME1##と呼んでいた。
鬼さんも、徳川さんも、そういえば齋藤コーチもだ。誰かが名字で呼んでいた記憶は無い。
まさか、このスペシャルクイズの為に選手やコーチ全員に名前で呼ばせていたのか……?
気が付いたリョーマが##NAME1##を見上げれば、彼女もまた瞳を楽しげに光らせていた。
「分かる訳ないじゃん……」
「せ、せめてヒントとか貰えんですか…?」
「んー。そうね、なら一つだけ好きな質問をしていいわよ」
そんな滅茶苦茶な。謙也は最早成すすべなく口を噤んだ。
ただ一度の質問でどう答えを導けというのか。回答も一度だけだというのに。
ニコニコと笑顔を浮かべる彼女を見る限り、この問題が理不尽であることは知ってて出している模様。
二人が目を合わせると、互いに思考が行き詰まっている事だけが分かった。
苦労して此処まで来て手ぶらで帰りたくはない。だが、しかし。
「どうします謙也さん」
「どうしろ言われてもなぁ……」
現状では手と足も出ない。せめてここに青学が立海のデータマンが居てくれれば……。
突破口を見出そうと思考を巡らす。
その時だ。新たな人物の叫び声がラウンジへと木霊したのは。
「ぬーそーが!!待ちくたびれたんどー!!!」
「田仁志さん!?」
「あ、あかん!!」
「え?」
全員が一斉に怒声の方へと振り返る。
何が起こったのか##NAME1##が理解しようとする前に、大音量で警報がなった。
ジリリリリリリリ!!!!!
突然の爆音に3人の方が跳ねる。痺れを切らした田仁志慧が赤外線センサーに突っ込んできたのだ。
数秒固まった後、一番最初に動いたのはスピードスター、忍足謙也。
「逃げるが勝ちっちゅー話や!せや、コレもろてきます!」
「ったくもう…………それじゃ、どもっス」
「え、え、ちょっと待って!?」
慌てる##NAME1##の制しも聞かず、二人は田仁志と共に合宿所を飛び出す。表面に「乾」と書かれたウォータージャグを片手に。
。
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Haiter(プロフ) - めいさんさん» 返信、更新、共に遅くなってしまい大変申し訳ありません……。停止している間もコメントを頂ける事、大変嬉しいです!励みになります!コメントありがとうございました!! (11月19日 21時) (レス) id: fd3983f77f (このIDを非表示/違反報告)
めいさん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしちゃいました!!執筆して下さりありがとうございます!! (9月2日 3時) (レス) @page20 id: abdb809fc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっち - 面白かったです。更新頑張って下さい (2023年2月20日 23時) (レス) @page20 id: f8c9fe1d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haiter | 作成日時:2021年7月25日 21時