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「温泉って……？」
「この近くに温泉施設がオープンしたそうです。その宣伝を兼ねたイベントなのでしょう」
まさか、最初からこれが目的で？
##NAME1##の視線に気付いた君島は「どうかしました？」なんてにこやかに問いかけた。
「ううん。なんでもないよ、ありがとう」という不思議な返答に、彼は笑みを崩さず「そうですか」とだけ返す。
ちょっとしたサプライズだったが、彼女がお気に召したなら十分だ。
満足気にチラシに目を通す君島を真似して、##NAME1##も毛利の手元のチラシを見せてもらう。
どうやら、商店街の店舗を利用することでスタンプがもらえるようだ。
「ってことは、今から行くスポーツショップでも？」
「えぇ、スタンプをもらえるはずです」
そういえばそもそもの目的は、グリップテープを買いに行きたかったんだっけ。
毛利の言葉を聞いて、スタンプを押してもらう欄の中からスポーツショップのお店を探す。
隅々まで眺めていると、スタンプを集めて貰える景品が目に入った。
なんと景品は温泉施設の無料使用権。
「それあったら、みんなで温泉行けますやん」
「スタンプラリー、参加するやろ？」
「もちろんですわ！さっそく買い物行ってきます！」
景品を聞いて興奮気味の毛利は、スポーツショップへ走って行った。
そしてものの五分もしないうちに、駆け足で戻って来る。
手には小さな紙袋が握られていた。
「寿三郎くん、おかえりなさい」
「グリップテープは買えたか？」
「はい！スタンプシートと、一個目のスタンプもこの通り」
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作者名：Haiter | 作成日時：2022年7月31日 0時
