ゆったりホリデー【種ヶ島＆大曲√】 ページ13
「よっしゃほな、健闘を祈るで〜」
と、本日のおすすめである種ヶ島がウキウキで##NAME1##を引き連れ、他チームと別れてから数十分後。
スタンプの貰える店の前に、三人は並んでいた。
「ったく、なんでお前と勝負しなきゃらなねーんだよ」
「そりゃスタンプのためやろ」
「……##NAME1##、お前やるか？」
「竜次くんがんばれ〜」
「聞いちゃいねえし」
駄菓子屋の店主はニコニコしながら、大曲に輪投げを二つ手渡した。
景品の取得の有無に関係なく、本来の目的であるスタンプは貰える。
だがスーパー自由奔放人間の二人に巻き込まれれば、もう逃げることは出来ない。
全てを諦めた大曲は、輪を二つとも構えて目標を定めた。
どうやらここでも二刀流のようだ。本気である。
「……おら、よっ！」
「おー、二つとも綺麗に入ったやん」
「さすが竜次くん！よっ、恋も輪投げも二刀流！」
「恥ずかしいんだよそれ。でけえ声で言うなし」
二つの輪が同時に的へと入り、きゃっきゃとはしゃぐ種ヶ島と##NAME1##。
駄菓子屋の店主は「最近の若い子は凄いのねぇ」といたく感心していた。
景品をもらい大曲が礼を言う。
次は修くんの番だね？そう##NAME1##が口にしようとした瞬間、突然視界に真っ白な物体が現れた。
「わっ……！？な、なに……？」
「やるよ。お前それ、好きだったろ」
頭上から聞こえた大曲の声で、それが彼の仕業なのだと分かった。
近すぎてピントの合わない白い物体を手にする。
赤いリボンがチャーミングな白い猫の小さなキーホルダーだ。
その正体が分かった##NAME1##の表情に、パッと花が咲く。
「え！？いいの！？」
「構わねえよ。俺が持ってても仕方ねえし」
「ありがとう竜次くん！」
「ひゅー、やるやん竜次」
##NAME1##がお礼を言うと、種ヶ島が茶化すように大曲の腕を突いた。
好きなものを覚えてて貰えるのは嬉しいことだ。
ご機嫌でストラップをカバンにしまい込み、にっこりと大曲に笑いかける。
彼も満更ではなさそう。
そんな和気藹々とした雰囲気の中、三人の前に見知った顔が複数現れる。
「あれ……先輩たち、何してるんですか」
「輪投げ……？なんで駄菓子屋で？」
丸井ブン太、ジャッカル桑原、切原赤也
登場したのは立会大付属の中学生たちだった。
大曲が事の経緯を説明すると、切原が一番良い反応をする。
それを見た種ヶ島が、彼に一つの提案をあげた。
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作者名：Haiter | 作成日時：2022年7月31日 0時
