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男の子の不安が少しだけ薄れたのか、ようやく会話が成り立った。
彼は君島に母親とはぐれてしまったのだと伝える。
やはり迷子だったか。
詳細を知るべく、どこで迷子になってしまったのかを優しく問いかける君島。
あっち、と男の子が指さした。その場にいた全員が指先へ視線を動かす。
「なるほど、教えてくれてありがとう。
それでは一緒にお母さんを探しに行きましょうか」
「いいの？」
「力になると言ったでしょう？」
「あ、ありがとう！」
初めて男の子の表情に笑顔が宿る。
小さな子供と対話する君島が新鮮で、なんだかほっこりした。
##NAME1##も彼と目線を合わせるようにしゃがみ込み、手にしていたいちご飴を彼に差し出す。
「……え？」
「いちご、好き？」
「……好き」
「お揃いだね。お姉ちゃんもいちご大好き。
これ食べると元気になって、お母さんすぐに見つけられるようになるんだよ」
「ほんと！？」
「うん、だからどーぞ」
お姉ちゃんありがとう！！男の子は##NAME1##から受け取った飴を嬉しそうに握りしめる。
「ごめんね、君ちゃん」と目線だけで彼に謝ると、ただ穏やかに微笑まれた。
スタンプラリーは一時中断。
ありがたいことに、中学生たちも手分けして探してくれると申し出てくれる。
唯一の手掛かりである男の子の指先を頼りに、彼の母親探しがスタートした。
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作者名：Haiter | 作成日時：2022年7月31日 0時
