優しさに呪われて。 (ページ9)

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「(なまえ)、夕飯よ〜！」

「はぁ〜い！」

こんな元気に返事をして何になるんだろう。

「いただきます！」

何でこんなにごてごてした食事をするんだろう。

「美味しいね！」

何で味が薄く感じるんだろう。

中学に入った頃から、何が何だかわからない。

生きる意味や価値なんてよくわからない。

死ぬ意味も分からない。

あぁ、どうしてこうなったかな。

こんな私なら、誰にも必要ないよね。

「ご馳走様。勉強するからお風呂先いいよ。」

「あら、そう？わかったわ。」

部屋に戻ってスマホを開いた。

久しぶりにあの場所に行こうかな。

「………！(なまえ)？」

私のきた場所はセカイ。

今日はミクが迎えにきたみたい。

「久しぶりだね。」

「うん。」

数週間ぶりに見るこのセカイは綺麗だった。

夜明けのセカイ。

深い藍色から紫、橙、桃色とグラデーションに

なっている空は現実の夜明けに近い。

「(なまえ)………。」

「レン。久しぶり。」

「う、うん………。」

どうやらレンも今日は居るみたいだ。

「ねぇ、二人とも。」

私ってどうして生きなきゃダメなの？