story4 ページ6
昼休み＿＿＿＿
「あー腹減った。」
「今日も購買？」
「そうだよ。」
彰人は購買に昼飯を買いに行く。
因みに私はお弁当。
極々たまに彰人に中身を少し分けている。
「先に屋上に行ってるね？」
「あぁ、なるべく早く行く。」
仲が良いこともあって彰人と私は大体ニコイチ。
周りからは「付き合ってるの？」
とか言われたこともある。
一切そんなことないけどね。
屋上に行くとまだ誰もいなかった。
日影になっているところを探して座る。
「遅くなった。」
「大丈夫。」
彰人は私の横に腰を下ろした。
「「いただきます」」
食べようとしたその時。
がちゃっ。
屋上のドアが開いた。
「おや？東雲くんと(なまえ)かい？」
「あ、類先輩。」
「っげ。」
やってきたのは緑化委員会の先輩、神代類。
彼は機械いじりが好きな変人。
学校内では変人ワンツーのツーの方だ。
因みに変人ワンは天馬司先輩。
「げとは酷いねぇ。ところで東雲くん。」
「……はい。」
「そのメロンパン、良ければくれないかい？」
「は？」
「僕の野菜サンドと交換しようという事さ。」
「……別、良いっすけど。」
彰人は競争率の高いメロンパンを譲った。
流石に私もびっくりしてしまった。
「あ、彰人、ホントにいいの？」
「いいんだよ、その代わり(なまえ)のデザート分けろ。」
「なっ、何で持ってるの分かるの！？」
私の手元にあるのはフィナンシェ。
味はマーマレードだ。
彰人が1番好きな味。
「弁当箱が２つあるの不自然だろうが。」
「うぐっ！」
正論過ぎて何も言い返せなかった。
確かにこんな小柄な女子が
弁当二つも頬張るかって言われると…………ね？
(食べようと思えば食べれる)
「……分かった。いいよ。」
諦めるしかない、と腹を括った。
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作者名：廻慧 | 作成日時：2023年8月22日 17時
