優しさに呪われて。 (ページ4)

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無機質な機械音で目が醒めた。

「………思い出したくない。」

あの頃の夢を見るのは久しぶりだった。

耳にこびりついて離れない笑い声。

私に向けられた奇異を見る目。

思い出すだけで吐き気がする。

「………どうして信じてくれないかなぁ。」

先天的色素欠乏症。通称アルビノ。

目や髪の黒色を出すためのメラニン色素が

足りないことにより起こる病気。

メラニン色素が少ないほど髪は白くなり、

目は赤っぽくなる。

私は特にそれが酷くて、

髪は真っ白だし目は真っ赤だ。

こんなだから、親にも従妹にも似ていないのだ。

「はぁ。ホントにダルい。」

鏡を見てため息をつく。

光を浴びて虹色に輝く白髪。

ルビーのように赤く光を放つ目。

こんな異端な見た目だから嫌われるんだ。

よく従妹は私を好いてくれたもんだよ。

「………学校、行くか。」

手に取ったのは神山高校の制服。

私のクラスは1-C。

委員会は緑化委員会に入っている。

神高は自由な校風なので、

こんな見た目の私でもなんとかやっていけてる。

髪を染めるのも、ピアスも結構な人がやってる。

まぁ、私は染めてないし、

ピアスもしてないけど。

「………行ってきます。」

誰も歩いていない、

路地を通りながら学校へ向かった。