優しさに呪われて。 (ページ15)

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「〜〜！！」

「〜〜っ！」

強引にカフェへ連れ込まれて練習を見ている。

普段ふんわりしているこはねが、

力強い声を出してて、キラキラしてて。

「……まるで、」

私だけが置いていかれているみたいだよ。

ずっと、ずっと隣に居た気がしたのに。

いつの間にか、遠くて。離れてて。

「……なんで？」

この街で何があったの。

こはねは成長してるのに……。

「私は、変われてないな………。」

変われてないからかな。

私を、誰も認めてくれないのは。

ぼんやりしていると、歌い終わっていた。

「ど、どうだった？」

「………すごかった、こはねは、成長したね。」

嬉しさと、悔しさと、

色々な感情が混じって、分からなくて。

ぐちゃぐちゃの涙がでてきた。

「わっ、(なまえ)ちゃん！！？」

「(なまえ)！？」

「っ、訳、わかんない……っ！！」

分からない。分からない心の中で、

燃え盛るこの気持ちは何？

今なら、なんでもできる気がする。

動きたい、走り出したい。

そんな衝動に駆られる。

俯いた目をあげる。

その目には、きっと、闘志が宿っていた。