優しさに呪われて。 (ページ11)

今日:22 hit、昨日:10 hit、合計:785 hit

story9 ページ11

「いや〜、猫被りな(なまえ)は見慣れないな〜。」

「は？(なまえ)って猫被ってんのかよ。」

カチャン｡

新が爆弾発言をするから、

パフェを掬ったスプーンを落とした。(机上)

「………何のこと？どうしたの、新？」

ニコニコして話す。

ダメ、バレたら終わる。

…………何が？

あれ？何でバレたくないの？

また聞こえる。

ガラガラと何かが崩れていく音がする。

「………で」

「「(なまえ)………？」」

「何で………猫被ってるの？」

私は何者ですか？

何でこんな風になったんだけっけ？

誰も信用してないから………かな？

私の本当の想いってなんだっけ？

「っ！(なまえ)、一旦ここを出よう！」

「え、あ、新………？」

「東雲くんも！」

「あぁ。金は払っとく。」

「後で返すよ！」

強引に新に引っ張られて、

どこかに連れてかれていく。

着いたのは小さな公園だった。

遊具は殆ど錆びれていて、

碌な整備がされてない。

「な、何でここに……？」

「っ気付いてねぇのかよ。」

「え？」

「泣いているんだよ？ほら。」

新の指が私の頬を撫でた。

その指には透明な液体が伝っていた。

「あ………。」

頬を流れる温かいものに気付く。

これは、私の涙なのか。

「(なまえ)、そろそろ何が辛いか教えてほいな。」

私を真っ直ぐ見つめる新の目からは、

優しさと、悔しさが伝わってきた。