☆ ページ9
「ふぅ…….」
バタバタと忙しく通り過ぎる足音を聞き流し、学園長先生は息をつく。
お茶を拭った布をヘムヘムが外へと干しに出て、庵は再び私と学園長先生だけになった。
「全く、困ったものじゃ……」
『あはは……小松田さん、ちょっとうっかりさんなんですね』
私の言葉に学園長先生はいやいや、と首を横に振る。
「ちょっとどころではないない。この前の資料整理でも……」
『はい?』
学園長先生のお話によると。
元々忍者を目指していたものの、なんだかんだで事務員になったという通称【へっぽこ事務員】こと小松田さんは、日々数多くの「うっかり」で騒ぎを巻き起こしていると言う。
さらに近頃生徒の数も必要な備品も仕事も増え、ただでさえ人手不足である故にますます大変になっているらしい。
『……なるほど。そこで、私を事務員として忍術学園に戻したのですね』
「まあ、簡単に言えばそういうことじゃ。頼りにしておるぞ、A」
『はい……!』
頼りにしている、という言葉に思わず顔が綻ぶ。
お世話になった忍術学園。
今度は私が出来る恩返しをしようと、大きく頷いた。
『この大川A、裏裏山に誓って全力を尽くします!!』
「うむ、いい心掛けじゃ!!……では早速、お主に仕事を与えよう!」
『はい!なんなりと!』
……ようやくの初仕事。
資料整理?それとも備品注文だろうか。
私はそんな事を考えながら、学園長先生の言葉を待った。
「Aの初仕事は……ズバリ、
“おかえり上級生!お出迎えサプライズ“じゃ!!」
『はい!!承知です……ん?今、なんと?』
「だぁかぁら、サプライズ、じゃ!!」
さ、サプライズ……?
この人は一体何を言いだすのだろう。
『はい……?』
状況が全く分からず、私は瞬きをした。
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海鈴(プロフ) - まみむーさん» わぁあとっても嬉しいです!!頑張ります! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 面白い作品の予感……!更新楽しみにしてます^ ^頑張ってください! (2021年6月23日 21時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海鈴 | 作成日時:2021年6月22日 22時