☆ ページ6
「じゃあ、中在家先輩は!?」
「食満先輩も知りたいです!!あっ!!あと立花先輩!!」
『知ってる知ってる!三人とも、先輩と仲良しなんだね』
三人から次々にあがる懐かしい名前の数々に、私は何度も頷く。
伊作を始めとして、長次や留三郎、もんじに仙兄、小平太、兵助達五年生や、四年生。
三人の顔の広さにも感心したけれど、あの小さかった皆が今、忍術学園の上級生として後輩を引っ張り、慕われているのをとても嬉しく思った。
それに、驚く事も多い。
『ええっ!!?忍術学園一ギンギンに忍者してる!?あのもんじが……』
一年生の頃、夜になると家が恋しいと涙を流したり、計算が苦手らしく帳簿や宿題を仙兄に手伝って貰っていたりしたもんじこと潮江文次郎が、今や地獄の会計委員長として働き、予算会議を仕切っているとか。
『仙兄、火薬免許持ってるの!?えっ、得意なのは焙烙火矢?』
私の兄だった頃は、苦無が得意で火薬の調合には苦労していた仙兄が、火薬を使いこなしているという。
皆大きく成長して変わっていたからこそ、兵助の豆腐好きやハチの虫好きは健在だというのを聞いて少し安心した。
「えっ!?それ本当っすか!?」
『うん、本当だよ』
三人は三人で意外な事がほとんどだったらしく、私の話に声をあげてびっくりしていた。
そんなこんなで私は事務員の先輩である小松田さんの居場所を尋ねる目的を忘れ、庵で学園長先生がお待ちである事も忘れ、話し込んでしまったのである。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
その頃、学園長先生の庵では_
学園長である大川平次渦正は、冷めたお茶と一向に温まることのない座布団をまじまじと見た。
そして、すうっと息を吸う。
「おそぉおおい!!!連絡によれば、Aはもうすでに着いているはずなのじゃ」
「ヘム……」
「小松田くんは一体何をしているんじゃ!!それに、Aだって、久方ぶりに父上代わりのわしに会えるというのに……」
がっくりと肩を落とす学園長を、咄嗟にヘムヘムが支える。
やっと仕事を思い出した小松田さんに連れられ、Aが庵へと走って来るのは、この数十分後の事であった。
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海鈴(プロフ) - まみむーさん» わぁあとっても嬉しいです!!頑張ります! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 面白い作品の予感……!更新楽しみにしてます^ ^頑張ってください! (2021年6月23日 21時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海鈴 | 作成日時:2021年6月22日 22時